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日本の駅は「けっこう神経を使う」 欧州暮らしが長い日本人女性 一時帰国で戸惑う意外なこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

ヨーロッパで多いのは「ながら電話」

ロンドンの地下鉄構内の様子。東京に負けず劣らず、人の波がすごいけれど…【写真:Moyo】
ロンドンの地下鉄構内の様子。東京に負けず劣らず、人の波がすごいけれど…【写真:Moyo】

 では、ヨーロッパではそんなことがないのかというと、特段大きく変わるわけではありませんが、電車の中では新聞や本を読んでいる人の割合がまだ大きい気がします。「ながらスマホ」で歩いている人は確かに多いのですが、日本と圧倒的に異なるのは、電話をしている人が多いことでしょうか。スマホに気を取られているのは一緒ですが、まだ前を見て歩いている人が多いので、こちらもそこまで気を張らなくていいという違いがあります。

 これは駅構内や交通機関内での話だけでなく、道端でも同じ。通話している人が本当に多く、さらにワイヤレスイヤホンを利用する人が多いので、最初は独り言をブツブツ言っている人がこんなに多いのかと思ったほどでした。

 日本は、おそらくチャットやメールなどテキスト文化が発展していると思います。一方、こちらはテキストを打つのが面倒で、すぐに音声録音メモでやりとりするケースが多いのも関係しているのではと感じました。ですから、音声メッセージを録音したり、届いたものを聞いたりすることが盛んに行われている気がします。

 また、モーターバイクに乗ったドライバーが延々としゃべっているのもよく見かけました。以前、渡英したばかりの頃に食糧雑貨店でアルバイトをしていたエピソードを書きましたが、デリバリーアイテムを取りにウーバーやデリバルーなどのドライバーが店へ来ます。その10人中8人は、必ず電話でしゃべりながらお店に入ってきていました。

 そして店員の前へ来ると、無言でスマホに映し出されている番号を見せて、自分のオーダーをひったくっていくという人ばかり。そのため、このドライバーたちに対する印象はあまり良くありません。

 日本で年々、車や自転車の「ながら運転」に対する規制が厳しくなっているように、イギリスやフランスでも厳罰化が進行。利用の仕方に多少の差があれど、どの国でも同じように「ながらスマホ」は社会問題になっています。ルールを守り、安全に日常を送りたいですね。

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。