からだ・美容
更年期ののぼせ・ホットフラッシュ 春に悪化しがちな症状を和らげる食養生とは
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体温調節が難しい更年期世代 体を冷やす食材を取り入れる

ホルモンバランスの変化で体温を調節しにくい更年期の人は、とくに「肝」のエネルギーを整え、気をスムーズにめぐらせるために、体のクールダウンが必要になります。
そこで今回は「春のクールダウン薬膳」として、余分な熱を取り除いて、のぼせやホットフラッシュを和らげるのにぴったりな5つの食材を紹介します。
セロリ、クレソン、チンゲン菜、豆苗、パセリの5つです。どれも身近な野菜ですが、薬膳では、体の熱を冷ます「寒涼性」、余分な熱を取り除く「清熱」の効能、「肝」の働きを整える「平肝」の作用を持ち、春に起こりやすい不調を和らげてくれるものとして、食養生に用います。
たとえば、サラダにセロリやクレソンを入れ、ドレッシングにみじん切りにしたパセリを混ぜたり、炒め物にチンゲン菜や豆苗をプラスしたり。いつもの料理に加えることで、手軽に取り入れられます。
ふだんよく選ぶ、お決まりの食材だけでなく、薬膳の知恵を生かしたこれらの食材を使い、揺らぎやすい春の体を整えていきましょう。
温熱性の食材は控えめに
すぐにクールダウンしたいときは、ミントティーがおすすめです。薬膳において、ミントは涼性の食材で、ストレスによる気の滞りを和らげる働きが期待されています。頭や顔のほてり、のぼせ、こもった熱による暑苦しさをすっきりとリフレッシュさせてくれるでしょう。
のぼせやホットフラッシュがひどいときは、「温熱性」の食材に注意が必要です。たとえば、ニンニク、唐辛子、生姜、スパイス類など温熱性の食材をたくさん使った料理は、体を内側から温めてしまいます。控えめにすると良いでしょう。
「暑ければ冷ます、冷えていれば温める」といったシンプルさでバランスを取ることも、薬膳の考え方のひとつです。ぜひ、昔ながらの知恵が詰まった食材を知り、無理なく日々の食事に生かしてみてください。
(かみむら 佳子)
かみむら 佳子(かみむら・けいこ)
大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。