仕事・人生
出会いがチャンスを招く人生 生計を立てるのもやっとだったシンガー由美子さんが成功を収めるまで
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まだチャレンジしていなかった「結婚」に挑戦
サミットと同じ年、由美子さんはプライベートにも大きな変化がありました。それは、株式会社ミレジムの代表取締役であるアーネスト・シンガーさんとの結婚です。
「林真理子先生が定期的に開催していたワイン会で知り合いました。18歳上のアメリカ人ですが、子どもの頃から日本で育ち、日本語もペラペラ。名刺交換をして3日後ぐらいに、『一緒に飲みませんか』と誘われたんです」
口説きモードのアーネストさんに対し、「私は家庭向きじゃないし、ひとりで暮らして長く、家具の位置ひとつ自分のこだわりがあるので他人とは住めない」と、初めは断ったそう。しかし、「大丈夫。家事はしなくていいし、インテリアも好きなように変えていいから」と言われて、40歳で入籍しました。
老舗ワインインポーターの社長夫人になったことで、もともとワイン好きだったこともあり、結婚を機に系統立ててワインの勉強をするように。このワインとの深い関わりが、さらなる出会いをもたらし、仕事の幅の広がりへとつながっていきます。
和食を世界に紹介する新たなミッション
ワインのネットワークで知り合った、香港のホテルを経営するアメリカ人オーナーから、あるとき「新しいホテルのロビーに、寿司カウンターを作りたい。ミシュランの星を狙える職人はいないか」と相談されたそう。注目している銀座の寿司職人をなんとか口説いて香港に派遣したところ、オープンから2年後には、海外の日本食レストランとしては2つ目となるミシュラン三つ星を獲得しました。この店は、内装から食器に至るまで、由美子さんのフルプロデュースでした。
以降、フードプロデュースやコンサルティングの相談も増加。会社を立ち上げ、新たなビジネスに参入することになりました。
マカオのホテル内にある和食レストランや、シンガポールの寿司店のプロデュースなども手がけた由美子さん。こうして、本物の和食を世界に向けてプレゼンテーションしていくことをミッションとし、情熱を傾けていきます。
次回は、夫が経営する株式会社ミレジムの代表取締役に60歳で就任、奮闘の日々をお聞きします。
(Miki D’Angelo Yamashita)
