ライフスタイル
日焼け止めのSPFとPAの違いは? 知っておきたい紫外線の種類と「UVインデックス」を専門家に聞いた
公開日: / 更新日:
「ビタミンDを生成する効果も」
――紫外線は日焼けやシミ、シワ、皮膚がんなど、健康や美容にさまざまな問題を起こすといったイメージがありますが、紫外線を浴びるメリットはないのでしょうか?
「紫外線には、実はビタミンDを生成する効果があります。とくにUV-Bが皮膚に当たることで、皮下でビタミンDが作られます。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進して骨を形成する効果が広く知られています。ほかにも、がんや感染症、糖尿病などの予防にも関与しているとされています。
もちろん、ビタミンDは食事からも摂取できますが、必要量を食事だけでとるのは容易ではありません。実際に、1日に必要なビタミンD(1日400~1000単位、10~25μg)のうち、多くの人は、半分以上を紫外線で作られるビタミンDに依存しているといわれています。そのため、過度に紫外線を避けるのではなく、適度な日光浴をすることで一定の紫外線を浴びることも、体には必要なのです」
――どれくらい紫外線を浴びるのが、理想的なのでしょうか?
「環境省の『紫外線環境保健マニュアル2020』によると、標準的な日本人が1日に必要とされるビタミンD、400単位(10μg)を作るのに必要な紫外線の量は、季節や地域、肌の露出量によって異なります。
たとえば、真夏の8月1日、雲が少しある晴れた日の東京都心で昼頃に外出した場合、皮膚の約25%(顔と両腕に相当)を日焼け止めなしで露出していれば、わずか3分間で十分とされています。一方、真冬の1月1日、同じく東京都心で昼頃に、皮膚の12%(概ね顔と手に相当)を露出して外出した場合は、約50分が必要とされています。
メリットとデメリットがある紫外線。『お肌に悪い』と避ける人もいますが、性質を理解して上手につきあいたいですね」
意外にも、体のためになることもある紫外線。日々の情報をチェックして、日焼け止めや帽子の活用、日傘など、対策に役立てたいですね。
○取材協力:ウェザーニュース「紫外線予報」
(Hint-Pot編集部)