からだ・美容
妊活の第一歩は健やかな体づくりから 「減らす」のではなく「整える」食生活とは
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教えてくれた人:和漢 歩実
1日3食、主食・主菜・副菜をとることが基本
過度なダイエットは、体に悪影響を及ぼします。とはいえ、高脂質や高糖質の、エネルギー源となる栄養素に偏った食事で無理に体重を増やすことも、体に負担がかかります。将来の妊娠に向け、健やかな体を保つ食生活で心がけたいのは、食事の量を「減らす」のではなく「整える」ことです。
具体的には、主食(ごはん・パン・麺など)、主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、副菜(野菜・キノコ・海藻など)をそろえた食事を1日3食、きちんと取ることが基本になります。
とくに大切なのは朝食です。朝食の役割は3つあります。
1つ目は、一日をスタートさせるために必要なエネルギー(熱量)をチャージすることです。起床時は体内のエネルギーが枯渇している状態なので、食事から補給する必要があります。
2つ目は、体温を上げること。脳や体を起こし、胃腸など内臓を活性化させ、自律神経のスイッチを副交感神経から交感神経に切り替えます。
3つ目は、体内リズムを整えること。一日24時間に対し、私たちの体内時計は25時間といわれています。その差をリセットさせる因子のひとつが朝食です。体内リズムが整うと、快眠にもつながります。
まずは朝食を整えることから始めよう
朝食では「炭水化物」「たんぱく質」「ビタミン」「ミネラル」の、4つの栄養素を意識しましょう。朝の炭水化物はエネルギーの補給として、たんぱく質は体のあらゆる細胞を作る手助けとして、ビタミンやミネラルは代謝の補酵素として働き、体の調子を整えます。
主食は炭水化物を主成分とするごはんやパン、麺、主菜はたんぱく質を主成分とした肉や魚、卵、豆腐、納豆などの大豆製品をとりましょう。副菜が難しければ、乾物のワカメや野菜を加えた具だくさんのみそ汁やスープにすると、ビタミンとミネラルが摂取できます。果物を合わせると、さらに良いでしょう。牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品からは、不足しがちなカルシウムを手軽にとれます。
作るのが面倒、または時間がないからといって、朝食抜きはおすすめしません。時短のためにコンビニ食を活用してみるのも手です。菓子パンよりも、ツナや卵の具材が入ったサンドイッチ、おにぎりなら梅よりもサケを選ぶと、主食だけになっても栄養価が高くなります。サラダチキンやサラダ、ヒジキの煮物やきんぴらゴボウ、即席みそ汁、カットフルーツなど品数をプラスすると、栄養バランスが整います。
健やかな体づくりには、バランスの良い食事や適度な運動、良質な睡眠が不可欠です。初めの一歩として、朝食を整えることから実践していきましょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
