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わずか15センチで歩行困難 30センチで車のエンジン停止 知っておきたい豪雨への備えや避難行動を防災士が解説
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教えてくれた人:小林 裕
5段階の「警戒レベル」を理解し適切な行動を

災害の発生時には、危険度を理解し的確な避難行動をすることが大切です。避難に関する情報や防災気象情報等の防災情報は、5段階の「警戒レベル」が用いられており、ニュースで耳にしたこともあるでしょう。各段階について、簡単に説明します。
【5段階の警戒レベル】
○警戒レベル1
災害発生の危険性は低い段階。最新の防災気象情報を確認するなど、心がまえを高めましょう。
○警戒レベル2
気象庁から「大雨注意報」や「洪水注意報」などが発表される段階。危険性のあるエリアをチェックし、避難場所・避難経路を確認しておきましょう。
○警戒レベル3
自治体から「高齢者等避難」が発令される段階。避難に時間がかかる高齢者や移動に支援が必要な人は、早めに安全な場所へ避難しましょう。
○警戒レベル4
自治体から「避難指示」が発令される段階。対象地域の人は、速やかに避難してください。
○警戒レベル5
自治体から「緊急安全確保」が発令される段階。すでに災害が発生しているか、発生直前の可能性があります。すぐに安全な場所で、命を守る行動をとってください。
自宅が戸建て住宅の場合、まずは垂直避難。レベル3で2階以上に、必要な荷物や家族を移動させてください。雨足が弱くても急に水かさが増す可能性があるほか、雨や風の影響で防災無線が聞こえないこともあります。上階へ避難する際はブレーカーを落とし、懐中電灯や携帯トイレ、モバイルバッテリーなど、必要なものを忘れないようにしましょう。
集合住宅の場合、上層階は浸水の心配は少ないですが、ポンプの停止により全館トイレが利用できなくなることも。日頃から簡易トイレを備蓄するなど、ライフラインの確保をしておくことも大切です。
また、集合住宅でも1階などの低層階は浸水の可能性があります。3階以上の知人宅などへ避難しましょう。災害時、エレベーターは早めに止まります。高層階への移動は、そうしたことも考慮したタイミングでの避難が望ましいです。
いずれの場合も、レベル4までに安全な場所へ避難することが重要です。水位が30センチほどで、歩行困難になり車のエンジンは止まってしまうこともあります。避難行動は早めに、安全な手段で行うよう心がけてください。後編では、土砂や強風による災害へ対応と、危険度をチェックするための情報源について解説します。
(Hint-Pot編集部)