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わずか15センチで歩行困難 30センチで車のエンジン停止 知っておきたい豪雨への備えや避難行動を防災士が解説
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教えてくれた人:小林 裕
増加している都市型水害にも注意

都市の地下には巨大な排水ポンプ場がありますが、想定最大規模である毎時50ミリ前後の集中豪雨を超えると、排水が追いつかずに発生するのが都市型水害とも呼ばれる内水氾濫です。マンホールなどから水があふれて、道路が川のようになるのを目にしたことがあるかもしれません。
アスファルトで覆われた都会は、水が地面に染み込まないため、数十分で地下鉄の駅や地下街が水没するのが特徴です。下水道に影響が出て、自宅が安全な状態でもトイレが使用できなくなることもあります。
どこで発生するか予測しにくいほか、外出中に遭遇するケースも。危険な場所を避け、安全を確保する行動をしましょう。
【都市型水害で危険な場所の例】
○地下街や地下にある駅構内など
15センチほどの浸水で、子どもは転倒することがあります。大人の腰くらいの高さが、約50センチ。短時間で水位が上がる可能性もあるので、速やかに地上や上階へ避難してください。階段が滝化、エスカレーターが逆流することもあるので注意しましょう。
○アンダーパスなどの窪地
30センチの水位で車のエンジンが停止。70センチで車体が浮き、車ごと流される危険があります。水圧などでドアが開かず、脱出できなくなることも。運転中に前方の路面を確認し、水が少しでも溜まっていたら迂回しましょう。迷ったら引き返すのが鉄則です。
大雨注意報や警報が出たら、地下利用を控え、地下駐車場には入らないようにしてください。「地下を避ける」だけで命を守ることができます。
