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起床時は「室内にいながらも、脱水症のリスクが高くなっている状態」 猛暑に負けないために…朝食で食べておきたいものとは
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教えてくれた人:和漢 歩実

猛烈な暑さが続く夏。こまめに水分補給をしている人は多いでしょう。熱中症対策というと、日差しが強い昼間から気をつけるイメージがあるかもしれませんが、実際は朝もリスクは同じ。一日を元気に過ごすために、朝食がカギを握るようです。暑さに負けない朝食について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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寝ている間にも体から水分が失われている
寝ている間に、私たちは一般的にコップ1杯(200ミリリットル)程度の汗をかくといわれています。夏の夜は、約500ミリリットルもの水分が汗や呼気で体内から失われるとの研究報告もあります。
つまり起床時は、室内にいながらも、脱水症のリスクが高くなっている状態といえるでしょう。そこで失われた水分と、日中の活動に使うエネルギーを補給する必要があります。暑い日の一日の始まりとして、朝食は大切です。
朝に起きたら、まずコップ1杯の水を飲むことを心がけてください。冷たい水よりも、できれば白湯または常温が良いでしょう。胃腸などの消化器官を、冷やさずに目覚めさせるためです。消化機能が活発になると、朝食で摂取した栄養素の吸収を良くすることも期待できます。
夏の朝食に意識したい5つの栄養成分とは
朝食は、さまざまな食品からバランス良く食べるのが理想ですが、それがなかなか難しいときは、次の5つの栄養素や健康成分の摂取を心がけましょう。
○糖質
エネルギー源となります。炭水化物が主成分のごはんやパンなどを主食としてとりましょう。
○ビタミンB1
糖質をエネルギーに変えるときに必要な補酵素として働きます。豚肉やウナギ、サバ、玄米、全粒粉パン、ぬか漬け、ナッツ類などに含まれています。
○たんぱく質
体のあらゆる細胞を作る栄養素です。肉や魚、卵、乳・乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品などから摂取できます。
○ミネラル
寝ている間に汗とともに失いやすいのが、ナトリウム、カリウムなどのミネラルです。キュウリ、トマト、ナスなど夏が旬の野菜などに含まれます。バナナやキウイなどの果物、また、みそもミネラルが豊富です。
○クエン酸
疲労回復や食欲増進が期待できます。代表的なものが、梅干しです。レモンやオレンジ、酢などにも含まれています。