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オクラのヘタは食べられる? 「もったいない」下処理や長持ちさせる保存方法を栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

ネバネバとした食感が特徴のオクラ。栄養たっぷりで、暑さを乗り切るための健康食材としておなじみです。しかし、ヘタの下処理やゆで時間、保存方法などにおいて、実は損をしている「思い込み」が多いそう。オクラについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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オクラのヘタは食べられる?
オクラは約90%が水分ですが、食物繊維やミネラル、ビタミンを含む夏野菜です。とくに代表的なのは、ペクチンやガラクタンなどの水溶性食物繊維で、オクラの特徴的なネバネバ食感の成分でもあります。整腸作用があるほか、血糖値や血中コレステロール値の上昇を抑制し、生活習慣病の予防効果が期待できるでしょう。
このほか、必要時に体内でビタミンAに変わり免疫機能を高めるβカロテン、体内の水分を調節するカリウムも含みます。暑さでバテぎみのときこそ、積極的に食卓へ取り入れたい野菜のひとつです。
オクラを調理する際、食べられないと思ってヘタをすべて切り落としていたら、もったいないです。ヘタの部分も食べられます。また、ヘタを切ってゆでると、中のネバネバ成分などの水溶性成分が流出してしまい、せっかくの栄養を逃すことになります。
オクラの一般的な下処理とは
さっと水洗いしたあと、ヘタの先端の黒っぽい部分のみを切り落とし、がくと呼ばれるヘタと実の境目部分を包丁でくるりと削り取るのが、一般的な下処理です。ピーラーを使っても良いでしょう。
オクラは表面にうぶ毛があるので、塩をまぶしてまな板の上でこすり合わせて取ります。板ずりといいますが、この下処理をすることで食感が良くなり、鮮やかな色に仕上がります。購入時のネットに入れたまま、塩をかけて両手で挟んでこすっても良いでしょう。まな板を使わないので手軽です。
ゆでる際の時間は、1分程度を目安にしてください。あまり加熱すると、破裂したり、やわらかすぎておいしさが損なわれたりします。気になる黒っぽい部分があれば、ゆでた後に切り落としましょう。
電子レンジ調理も便利です。水溶性成分の流出も避けられます。下処理したオクラを耐熱容器に5本ほど並べ、ラップをふんわりとかけて約40秒(600W)加熱すると良いでしょう。その際、破裂する場合もあるので、楊枝で数か所、穴を空けておきます。