からだ・美容
更年期世代が感じやすい「夏の終わりの不眠」 秋に不調を持ち越さないように 体の内側から整える食事と生活リズムとは
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なんとなく眠りが浅い、朝起きても疲れが取れない――更年期世代が睡眠にまつわる不調を感じることが多くなるのは、実は8月後半から9月にかけて。日中の暑さが和らいできても、「暑さの蓄積」で体の中の熱をうまく発散できないのだそう。更年期の女性の元気をサポートする、国際中医薬膳師のかみむら佳子さんによる連載。今回は夏の終わりに起こりやすい不眠について、体を整えるための食や過ごし方とともに、中医学の視点からご紹介します。
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更年期世代が陥りやすい「夏の終わりの不眠」に注意
エアコンをつけても眠れない。変な寝汗で起きたり、夜中に何度も目が覚めたりして、朝はぐったり……。猛暑を乗り切って、体に気を使ってきたはずなのになぜか眠りが浅く、疲れが抜けない。そんな声をよく聞くのが、8月の後半から9月の初めにかけてです。
夏の不眠というと、真夏の寝苦しい夜をイメージしがちですが、実は立秋を過ぎた残暑の時期に、眠りの質が落ちる人が多いといわれています。中医学的な観点からいうと、その背景には、「暑さの蓄積」と「体のめぐりやリズムの乱れ」があると考えます。
暑さが少しずつ落ち着いてきても、体の中にはまだ熱がこもったままなうえ、冷たい飲み物の取りすぎやエアコンによる冷えで、自律神経のバランスも乱れがちに。中医学では、こうした状態を「体を冷やしすぎて内側の熱が逃げにくくなっている」「熱を発散できない」状態ととらえます。
体に内熱が溜まり、それが寝つきの悪さや夜中の覚醒、気持ちの焦りなどにつながるのです。とくに50歳前後の更年期の女性は、ホルモンバランスの影響でのぼせ、寝汗、気分の浮き沈みが起こりやすく、そこに夏の疲れが重なることで、不眠になりやすくなります。
つまり、夏の終わりに眠れなくなる原因として、次の2つが挙げられます。
・体に熱がこもっている(ほてり、寝汗、焦燥感)
・体をうまく休ませる力が足りない(疲れているのに眠れない)
「眠れないのは年齢のせい」と諦めがちですが、それは上記のような体の状態を「整えてほしい」という、体からのメッセージと受け取ると良いかもしれません。
