Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

更年期世代が感じやすい「夏の終わりの不眠」 秋に不調を持ち越さないように 体の内側から整える食事と生活リズムとは

公開日:  /  更新日:

著者:かみむら 佳子

薬膳の知恵で食や過ごし方を整えよう

ナツメグとクコの実に湯を注いで、蒸らすだけで薬膳茶に【写真:かみむら佳子】
ナツメグとクコの実に湯を注いで、蒸らすだけで薬膳茶に【写真:かみむら佳子】

 薬膳では「不調の根本にある体の偏りを、食でゆるやかに整える」という考え方を大切にしています。夏の終わりの睡眠にまつわる不調を緩和させるために、体の内側にこもった熱を冷やし、心身ともに落ち着きを取り戻す食材を意識して取り入れましょう。

 おすすめの食材は、体をクールダウンさせる豆腐やトマト、レタス、ゴーヤ、キュウリ、セロリなどです。体の熱を和らげ、潤いを補います。安眠効果を高めるには、ナツメグやクコの実がおすすめです。気持ちを整え、落ち着いた眠りへ導くのに役立つでしょう。また、鶏や豚のハツは心臓の機能を高め、精神的な不安定さや不眠を和らげる食材です。焼き鳥では、ぜひハツを食べてみてください。

 眠りの質を上げるには、食事だけでなく、夜の過ごし方も大切です。寝る2時間前にはスマートフォンやパソコンを控え、照明を落とし、静かな音楽や深呼吸でリラックスをすると良いでしょう。ぬるめのお風呂に浸かったり、カフェインが入っていない温かい飲み物を口にしたりするのもおすすめです。

 中医学的には、オンの「陽」からオフの「陰」に切り替えていくことで、眠りにつながる心と体の準備が自然にできると考えられています。忙しい日常の中でも、「オン」と「オフ」の切り替えができるよう心がけましょう。

 夏に溜めこんだ“睡眠負債”が、秋になると咳や乾燥、肌荒れ、気分の落ち込みといった不調として現れることもあります。秋はもともと、呼吸や肺の働きに負担がかかりやすい季節。夏の終わりにしっかり「整える」ことが、次の季節の健やかさにつながります。

(かみむら 佳子)

かみむら 佳子(かみむら・けいこ)

大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。