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食欲の秋 旬のサケとサバは、どっちが栄養面で優れている?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

秋サバの栄養メリットとは

 対して秋サバは、脂がのっていて、不飽和脂肪酸のDHAやEPAといったオメガ3脂肪酸の量が圧倒的に多いのが特徴です。これらは血流を改善し、動脈硬化の予防や脳の働きをサポートする成分として知られています。

 また、ビタミンB群も豊富です。エネルギー代謝や貧血予防に役立つビタミンB12が多いのは、サバの特徴です。皮にはビタミンB2が豊富といわれています。脂質をエネルギーに変える際に必要な補酵素で、ホルモンや細胞膜などを作る脂質の働きも助けます。健康の維持に欠かせません。できれば皮は剥がさず、積極的に食べたいところです。

 塩焼きや揚げ物も良いですが、調理の過程でEPAやDHAなどの脂質の一部が損失してしまいます。脂がのった秋サバの栄養を効率的にとるならば、みそ煮などの煮つけにすると良いでしょう。

それぞれの栄養メリットを生かして味わおう

 以上のことから、秋鮭と秋サバはどちらも良質なたんぱく質や健康に役立つ脂質を含み、栄養価の高い魚です。

 秋鮭は低カロリーでビタミンDやアスタキサンチンが豊富。免疫力アップや骨の健康、美肌を意識したい方におすすめです。一方、秋サバはDHAやEPAなどの良質な油、ビタミンB群が豊富で、血流改善や脳の健康維持、脂質代謝のサポートに役立ちます。

 どちらが一方的に優れているわけではありません。好みや目的に合わせて、秋の魚をとり入れましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾