からだ・美容
秋の味覚で歯垢リスクが急上昇 栗やイモが口内環境を悪化させるワケ 食後に心がけたいおくちのケアとは
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教えてくれた人:天野 敦雄
「秋の味覚」焼き芋や栗で歯垢リスクは急上昇!?

虫歯は、歯垢の細菌が、私たちが口にしたショ糖をエサして作り出した酸によって、歯が溶けた状態のことをいいます。つまり、今の季節に人気のサツマイモや栗に含まれるでんぷんは、唾液によって分解されて糖になり、ケアを怠ると、歯垢リスクを高めるのです。また、ナシやブドウなども果糖を含むため、同じく歯垢リスクを高めることになるでしょう。
一方、たんぱく質と食物繊維は虫歯を作らないとされているため、たとえばサンマやサバ、戻りカツオなどの魚類、シメジやエノキダケ、マイタケといったキノコ類は歯垢リスクを高めません。
歯垢リスクを抑える観点で考えると、食物繊維を多く含む食品は、よく噛むことで唾液の分泌が促され、唾液の持つ洗浄作用や抗菌作用、酸の中和作用が強化されます。さらに、食物繊維自体が歯の表面の歯垢を落とすので、リスクを低くする効果が期待できるでしょう。
また、お茶などに含まれるカテキンなどのポリフェノールも、歯垢の成熟を抑えるとともに、抗菌作用や抗炎症作用があります。
食後3分以内の歯磨きを心がけよう!
歯科医院で歯磨き指導を受けた人でも、歯磨きだけで落とせる歯垢は約6割といわれています。歯磨き指導を受けたことのない人であれば、磨き下ろせる歯垢は2割程度。多くの歯垢が残ったままになっています。
つまり、丁寧に磨いているつもりでも歯垢は残りやすく、口の中が“きちんと拭けていないおしり”のような状態なのです。
また、食事をしたあと、虫歯菌は食べカスの中の糖質(とくに砂糖)を栄養として取り込み、酸を排泄します。虫歯菌の代表格・ミュータンス菌は、同時に「不溶性グルカン」という、水に溶けないネバネバを砂糖から作り出すのですが、それがさらに歯垢を分厚くし、酸をたっぷり含む歯垢になります。
この酸によって歯が溶け(脱灰)、虫歯になるため、酸を早く洗い流すには食後3分以内の歯磨きがおすすめです。
虫歯予防の目的で歯磨きをする際は、歯ブラシの毛先が、歯に対して90度に当たるように磨きましょう。歯周病予防のために歯を磨くなら、歯と歯の間、歯と歯茎の境目に入りやすいよう、歯ブラシの毛先を歯茎に向け、歯に対して45度に当たるように磨きます。
どちらの場合も、奥歯はリンゴを磨くようなイメージで、歯の形を考えながら磨いてください。