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「お金は湧いてこないのよ」 母の厳しい言葉が原動力に 宝塚元トップ男役・えまおゆうさんを支えた“悔しさ”という名のエネルギー

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

母は「本当に人を奮い立たせるのが上手」

音楽学校受験の思い出を語った、えまおゆうさん【写真:冨田味我】
音楽学校受験の思い出を語った、えまおゆうさん【写真:冨田味我】

竹山:中学生の頃から準備を?

えまお:高校2年生のときにはクラブ活動もやめて、毎日、学校帰りにお稽古に通いました。1年間集中して受験準備をして、挑んだのは1回きりの受験です。

竹山:その受験時のモノマネが有名ですよね。

えまお:そうですね(笑)。最終面接で「特技を見せてください」と言われて。私は器械体操をやるつもりだったんですが、前に3人も同じ体操をやっちゃったんです。それもどんどんレベルが上がっていって、3人目が前方宙返りを決めた瞬間に「終わった……」と思いました(笑)。

竹山:そこからどうされたんですか?

えまお:とっさに「モノマネをします」と言っちゃったんです。「誰の?」と聞かれて、「学校の先生です」って答えたら「僕たち知らないから、有名人で」と言われて。もともと田原俊彦さんのファンで、よくモノマネをしていたので「哀愁でいと」を歌いながら踊りました。

竹山:大胆ですね(笑)。

えまお:はい(笑)。しかも、黒いレオタードにゼッケンつけて生足で。当時は今のようにTバックもなくて、パンツが見えたら減点みたいな時代だったんです。そんな格好で「哀愁でいと」を踊りました。審査員の先生方が大爆笑して、その場で点数を書き換えたらしいです。

竹山:伝説の受験ですね。田原さんはまさに恩人。

えまお:そうです! だから、トップになって最後の公演の前にライブをさせてもらったとき「あなたのおかげで宝塚に入りました」と感謝を込めて、田原さんのメドレーを18分間やりました(笑)。田原さんご本人にお会いしたこともあるんですけど、その話はできませんでした。でも、心の中ではずっと「ありがとうございます」って思っています。