仕事・人生
「お金は湧いてこないのよ」 母の厳しい言葉が原動力に 宝塚元トップ男役・えまおゆうさんを支えた“悔しさ”という名のエネルギー
公開日: / 更新日:
インタビュアー:竹山 マユミ
母に「絶対落ちるわよ」と言われたら「うるさい!」

竹山:宝塚に入られてからは、どんな日々でしたか?
えまお:やっぱり“第二の故郷”って感じでしたね。私は東京出身で「実家に帰る」って感覚がなかったので、宝塚が心のよりどころになっていました。あの環境の中で、人としてもすごく成長できました。
竹山:ご両親の支えも大きかったのでは?
えまお:両親にはきちんと育ててもらっていました。仕送りは最低限。お金が足りないと母に電話すると、「お金は湧いてこないのよ。来月入るまで自分で考えなさい」と突き放されました。
そんなとき、そのことを上級生の方に話したら「良かったら一緒に食べよっ! ごはん今から行くけど、来る?」って声をかけてくださって。本当に人に恵まれていました。
竹山:厳しさと優しさ、両方を学ばれたのですね。
えまお:そうですね。叱られるのも愛情のうち。悔しさが原動力になることもあるんです。最近の若い人たちは「なんで叱られるんだろう?」と考えるけど、私たちは「次は絶対見返してやる!」って思えた。そういう気持ちが強くなれる環境でした。
竹山:成績も常に上位だったと聞きました。
えまお:はい。卒業時の成績は4番で、入団して1年目の試験で総合成績は2番、男役では1番でした。でも、翌年に少し順位が落ちたとき、母から「怠けているのね。下級生に抜かされるわよ」って言われて(笑)。本当に悔しかった。でも母は、私が悔しがることで伸びるってわかっていたんでしょうね。
竹山:お母様、すごいですね。
えまお:本当に人を奮い立たせるのが上手でした。受験前夜も、母が「早く寝なさい」と言ったのに私がゲームをしていて。翌朝、受験票を忘れてホテルまで猛ダッシュして、ロビーから部屋に電話して降りてきてもらったら「昨日ちゃんとしなさいって言ったでしょ。あんた落ちるわよ」って。
その言葉に「うるさい!」って言い返して(笑)。でも、あのひと言で気が引き締まりましたね。
竹山:親子げんかもパワフルですね(笑)。
えまお:そうなんです。でも、それも全部、愛なんですよ。うちの両親は戦争を体験していて、命の尊さを本当に知ってる人たちでした。父は空襲で命拾いをし、母は満州から大変な思いで日本に帰ってきた経験がある。そういう背景があって、私たちには「生きること」「人を大事にすること」を叩き込んでくれたんです。
<次回へ続く>
東京都出身。1987年に73期として宝塚歌劇団入団、星組に配属。歌、ダンス、芝居の三拍子がそろった華やかな男役スターとして活躍。2002年、雪組トップスターに就任。主な主演作品は「殉情」「ディーン」「追憶のバルセロナ/On the 5th」など。タカラジェンヌとしては異例のオールスタンディングライブ「YuEmao Live in BRITZ」を成功させ、同年9月に退団した。退団後は、「I LOVE YOU 愛の果ては」「三人吉三東青春」「テネシーワルツ」など多数の舞台に出演。ディナーショー、ライブ、テレビ、CMなど、またカルチャーでの講師、ボランティア活動など多方面で精力的に活躍中。2019年3月には、なかのZERO大ホールでのチャリティイベント「スタースペシャル~COLLEGE~」の構成、演出、出演を手がけ、大盛況を収めた。2023年2月に、芸能生活35周年記念として初の朗読劇「愛憐記 谷崎潤一郎『春琴抄』より」の演出・主演を手がける。2025年3月には初の舞台演出「愛憐記」を成功させ、本年2月にも再演し好評を得た。
Yu Emao New Year Live 2026
【日時】2026年1月7日(水) 開場:午後6時/開始:午後7時
【会場】原宿ラドンナ(東京都)
【金額】8000円(別途1ドリンク+1フードオーダー)
【お問い合わせ/予約】bunsmate@ymail.ne.jp
阪急阪神不動産 presents エリザベート TAKARAZUKA 30周年 スペシャル・ガラ・コンサート
【日時/会場】
東京公演:2026年2月6日(金)~20日(金)/東京国際フォーラム ホールC
大阪公演:2026年2月28日(土)~3月15日(日)/梅田芸術劇場 メインホール
愛知公演:2026年3月23日(月)~25日(水)/御園座
【料金】S席:1万6000円/A席:1万円/B席:6000円(全席指定・税込)
【お問い合わせ/チケット情報】梅田芸術劇場 0570-077-039(午前10時~午後1時30分/午後2時~6時)
阪急文化財団が贈る 未来へ、TAKARAZUKA!
逸翁コンサート100Plus15 えまおゆう with 秋園美緒&朝澄けい~帰ってきたタカラジェンヌ~Vol.115
【日時】2026年4月26日(日) 開演:午後1時/午後4時(開場:それぞれの公演の30分前)
【金額】7700円(税込・全席指定)
【主催・問い合わせ】公益財団法人 阪急文化財団 逸翁美術館 072-751-3865(午前10時~午後5時/月曜日休館)
(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)
(インタビュアー:竹山 マユミ)
竹山 マユミ(たけやま・まゆみ)
明治大学卒業。広島テレビ放送のアナウンサーを経てフリーアナ、DJとして各テレビ局やラジオ局で番組を担当。コーピングインスティテュート コーピング認定コーチ。宝塚歌劇団は生まれる前から観劇するほどの大ファン。