仕事・人生
刑務所コンサートで受刑者の手紙に涙 元宝塚トップ・えまおゆうさんが語る「生かされた命を使う」社会活動への思い
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インタビュアー:竹山 マユミ

宝塚歌劇団元雪組トップスターの、えまおゆうさん。宝塚の舞台で代表作となった「ディーン」では、役の“魂”が降りてくる瞬間を体験し、なかなか気持ちが切り替えられないほど役に入り込んだといいます。その経験は演出家として、「壁と芝居をしないで」と、相手との呼吸を大切にする指導につながっています。OGたちの視点からクローズアップする連載「華麗なる決断力~きらめきの続き~」。後編は、退団後の「生かされた命を使う」社会活動への熱い思い、「思い立ったらすぐ動く」という行動力の源に迫ります。宝塚をこよなく愛するフリーアナウンサーの竹山マユミさんが伺いました。
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それまでの自分とは違う役だった「ディーン」 役の“魂”が降りてくる瞬間が…
竹山マユミさん(以下、竹山):えまおさんの代表作は「殉情」や「ディーン」などが印象的ですが、「ディーン」は先日、再演もありましたね。当時のエピソードがあればぜひお聞かせください。
えまおゆうさん(以下、えまお):はい。あの作品は、自分自身とすごく重なる役でした。体型も性格も全然完璧じゃないのに、ジーパン姿で生きているような人物。それまでの自分とは違うタイプの役で、「なぜ私に?」と思いましたが、結果的に役に呼ばれたような気がしました。
竹山:舞台上で、本当にディーンそのものでした。
えまお:実は、あの頃は完全に役に入り込みすぎていて……。家に帰っても気持ちが切り替えられなかったんです。
竹山:それほど深く役に入り込まれるタイプなんですね。
えまお:そうなんです。演じていると、本当に役の魂が“降りてくる”瞬間があるんですよ。セリフを必死に覚えても入ってこない日々が続くのに、ある瞬間にふっと入ってくる。そのときは自然に体が動くし、涙が出てくる。あの感覚を一度味わうと忘れられません。
竹山:舞台を演出される際も、その感覚を大切にされているのでしょうか?
えまお:はい。演出のときはよく「壁と芝居をしないで」と言います。お芝居は相手との呼吸で作るもの。相手の空気を感じて、そこから自然にセリフを出してほしい。機械のように決められたセリフを言うだけでは、芝居の命は生まれません。
