仕事・人生
刑務所コンサートで受刑者の手紙に涙 元宝塚トップ・えまおゆうさんが語る「生かされた命を使う」社会活動への思い
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インタビュアー:竹山 マユミ
「実は、結婚退団をしたかったんです」

竹山:宝塚を退団された直後は、すぐに気持ちの切り替えはできましたか?
えまお:実は、結婚退団をしたかったんです。でも、その話がなくなっちゃって(笑)。ただ、その後は仕事が次々に来て、落ち込む暇がなかったですね。むしろ忙しすぎて、気づいたら時間が経っていました。
竹山:それは衝撃的でしたね! やはり舞台のお仕事に導かれていたということでしょうか。演じることと演出すること、どちらが楽しいですか?
えまお:どちらも違う種類の楽しさです。演出は、人が成長していく姿を見守ること。まるで花が咲くのを見ているような気持ちになります。お芝居は「種」、演出は「育てる側」って感じですね。
竹山:だからこそ、色とりどりの花を見せていただくような感動を味わえるのですね。演出の現場では、どんなことを意識されていますか?
えまお:とにかく、人の個性をつぶさないようにしています。私が言った通りに動いてほしいとは思っていません。それぞれが役を理解して、自然に動けるようになるまで待つんです。時間はかかるけど、その瞬間を見るのがたまらなくうれしいです。
竹山:舞台は長い期間、皆さんで作り上げるものですから、健康管理にもかなり気を配っていらっしゃいますよね?
えまお:そうですね。宝塚時代のけががいまだに残っていて。50代を過ぎた頃、ついに「このままでは立てなくなる」と言われました。そこで、昔のトレーナーさんにまたお願いして、月に1回メンテナンスを受けています。
それから「ぬるい16時間ダイエット」と「ぬるい糖質制限」も実践しています(笑)。あんまりストイックにやると続かないタイプなので。あとはリハビリの宿題を出されて、それを毎日コツコツこなしています。サボると悪いことが起きそうで(笑)。
竹山:すごくストイックに感じますが!
えまお:いや、根は怠け者なんです。でもコロナ禍のときに、運動をやめたらすぐ体が悪くなって、「やっぱり続けることが大事だ」と痛感しました。最近は「休むこともトレーニング」と言われて、少し肩の力を抜くようにしています。
