仕事・人生
刑務所コンサートで受刑者の手紙に涙 元宝塚トップ・えまおゆうさんが語る「生かされた命を使う」社会活動への思い
公開日: / 更新日:
インタビュアー:竹山 マユミ
刑務所で行ったコンサート 受刑者からの手紙に涙

竹山:2026年はどんな予定がありますか?
えまお:年明けにニューイヤーライブがあります。バンドネオン奏者の桑山哲也さんをゲストに迎える予定です。その後は「エリザベート TAKARAZUKA 30th スペシャル・ガラ・コンサート」に出演して、同時期に谷崎潤一郎の「春琴抄」をもとにした作品「愛憐記」の演出もします。体調を整えて全力で挑みます。
竹山:とても楽しみですが、ハードな日々が続きますね。そんななか、社会活動にも積極的に取り組まれていますね。
えまお:はい。以前、神戸刑務所でコンサートをしたんです。テレビで慰問の番組を観て涙が止まらなくなって、私もやりたいと思ったのがきっかけです。最初は周りに反対されたけど、やってみたら本当に良かった。刑務所で歌ったとき、受刑者の方々が「久しぶりに笑顔になれた」「歌を聴いて涙が出た」と感想を書いてくれて。もう、涙が止まりませんでした。そのお手紙を見て、やって良かったですし、歌、歌詞の力は人を救えると思いました。
竹山:心に届く音楽の力を感じた瞬間ですね。
えまお:そうですね。人は誰でも、もともとは悪くない。生まれたときから悪人なんて、いないんです。環境や状況で変わってしまうだけ。だから、少しでも人の心が動くきっかけになれたらうれしい。私はそれを「生かされた命を使うこと」だと思っています。
竹山:これからの夢を教えてください。
えまお:はい! 絶賛婚活中です(笑)。バツもないので、もう堂々と宣言してます。アプリはちょっと抵抗があるので、できれば自然な出会いがいいですね。最近は韓国の男性が素敵だなって思っています。
竹山:プライベートでも舞台でも、とてもエネルギッシュですね!
えまお:思い立ったらすぐ動く性格なんです。考えるより先に体が動いちゃう(笑)。たとえば「刑務所で歌いたい」と思ったときも、すぐ行動しました。人って、「どうせ無理」と思って止めることが多いけど、私は「ひらめき」を信じて動くんです。
竹山:それが、えまおさんのエネルギーの源なんですね。
えまお:そうかもしれません。私、メールやLINEの返信も早いんです(笑)。だから「えまおから2日連絡がなかったら倒れてるんじゃないか」と言われるくらい。エネルギーがありすぎると言われますが、やりたいと思ったことをやらずにいると、逆にゆがみがくるんですよ。だから動く。結局それが一番、心の健康にもつながっていると思います。
竹山:見習いたいことがたくさんありました! 読んでくださるみなさんへ、ぜひメッセージをお願いします。
えまお:人生って、思い立ったときが行動のチャンスです。やりたいことがあるなら、すぐやってみる。失敗しても、それは次のステップになるから。私もこれからも、愛と情熱を持って、みなさんの心に笑顔と希望を届けたいと思います。
東京都出身。1987年に73期として宝塚歌劇団入団、星組に配属。歌、ダンス、芝居の三拍子がそろった華やかな男役スターとして活躍。2002年、雪組トップスターに就任。主な主演作品は「殉情」「ディーン」「追憶のバルセロナ/On the 5th」など。タカラジェンヌとしては異例のオールスタンディングライブ「YuEmao Live in BRITZ」を成功させ、同年9月に退団した。退団後は、「I LOVE YOU 愛の果ては」「三人吉三東青春」「テネシーワルツ」など多数の舞台に出演。ディナーショー、ライブ、テレビ、CMなど、またカルチャーでの講師、ボランティア活動など多方面で精力的に活躍中。2019年3月には、なかのZERO大ホールでのチャリティイベント「スタースペシャル~COLLEGE~」の構成、演出、出演を手がけ、大盛況を収めた。2023年2月に、芸能生活35周年記念として初の朗読劇「愛憐記 谷崎潤一郎『春琴抄』より」の演出・主演を手がける。2025年3月には初の舞台演出「愛憐記」を成功させ、本年2月にも再演し好評を得た。
Yu Emao New Year Live 2026
【日時】2026年1月7日(水) 開場:午後6時/開始:午後7時
【会場】原宿ラドンナ(東京都)
【金額】8000円(別途1ドリンク+1フードオーダー)
【お問い合わせ/予約】bunsmate@ymail.ne.jp
阪急阪神不動産 presents エリザベート TAKARAZUKA 30周年 スペシャル・ガラ・コンサート
【日時/会場】
東京公演:2026年2月6日(金)~20日(金)/東京国際フォーラム ホールC
大阪公演:2026年2月28日(土)~3月15日(日)/梅田芸術劇場 メインホール
愛知公演:2026年3月23日(月)~25日(水)/御園座
【料金】S席:1万6000円/A席:1万円/B席:6000円(全席指定・税込)
【お問い合わせ/チケット情報】梅田芸術劇場 0570-077-039(午前10時~午後1時30分/午後2時~6時)
阪急文化財団が贈る 未来へ、TAKARAZUKA!
逸翁コンサート100Plus15 えまおゆう with 秋園美緒&朝澄けい~帰ってきたタカラジェンヌ~Vol.115
【日時】2026年4月26日(日) 開演:午後1時/午後4時(開場:それぞれの公演の30分前)
【金額】7700円(税込・全席指定)
【主催・問い合わせ】公益財団法人 阪急文化財団 逸翁美術館 072-751-3865(午前10時~午後5時/月曜日休館)
(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)
(インタビュアー:竹山 マユミ)
竹山 マユミ(たけやま・まゆみ)
明治大学卒業。広島テレビ放送のアナウンサーを経てフリーアナ、DJとして各テレビ局やラジオ局で番組を担当。コーピングインスティテュート コーピング認定コーチ。宝塚歌劇団は生まれる前から観劇するほどの大ファン。