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「鍋料理はヘルシー」は間違い? 食べるときに気をつけたい3つの“落とし穴”とは 栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実

気温が下がってくると、食べたくなる鍋料理。具材を煮込むだけの簡単料理で、家族や友人などと囲む機会も増えるでしょう。「野菜もたっぷり取れてヘルシー」というイメージがあるかもしれません。しかし、食べ方を意識しないと、知らず知らずのうちに太ってしまうこともあるようです。気をつけたいポイントを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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具材によっては高カロリーにも
これからの季節、鍋料理を家庭やお店で食べる機会が増えるでしょう。鍋料理といってもいろいろな種類があり、具材によっては高カロリーになることもあるのでダイエット中の方は気をつけたいところです。
たとえば、脂ののった牛肉や、豚のバラ肉、ロース肉などの部位を使うよりは、カロリーを抑えやすい魚介類や鶏肉などがおすすめです。
ただし「ヘルシー」な具材をそろえたとしても、食べ方次第で太りやすくなります。とくにダイエット中で鍋料理を楽しみたい人は注意が必要です。
一見ヘルシーな鍋料理を食べる際に、気をつけたい意外な3つの“落とし穴”を紹介します。
その1 量を把握しにくく、食べすぎに
鍋料理は、複数人で囲むことが多く、自分がどれくらい食べたのかがわかりにくい料理です。やわらかく食べやすいため、つい食べるペースが早くなりがちに。あとで振り返ってみると、何度もおかわりしていたという経験がある方もいるかもしれません。
器に「3杯まで」など、あらかじめおおまかに量を決めておくのがおすすめです。肉や魚介類は、手のひらサイズを1食分の目安にすると良いでしょう。さらに、箸を置いてゆっくり味わうようにすると、早食いを防げて満腹感を得やすくなります。
その2 つゆや漬けだれで塩分過多に
鍋料理のつゆには、塩分が多く含まれています。とくにみそやキムチ、寄せ鍋など濃い味ベースでは、器のつゆを飲み干すと塩分の摂りすぎにつながり、むくみの原因になります。また、鍋料理にゴマだれやポン酢などつけだれを使うこともありますが、つけすぎると塩分過多につながることもあるため注意が必要です。
鍋料理はスープを飲み干すのではなく、具材を食べることを楽しむようにしましょう。ユズやすだちなどの柑橘類の果汁を漬けだれに使うと、酸味と香りで味に深みが出て、少ない塩分でもおいしく感じられます。
その3 シメでカロリーオーバーに
鍋のシメに雑炊やうどん、ラーメンを入れると、うまみが凝縮されたつゆが最後の食欲をそそりますが、食べすぎには注意が必要です。つゆに残った脂や塩分と一緒に炭水化物をとることになり、一気にカロリーがアップ。せっかくヘルシーな具材を選んでも、最後のシメで帳消しになってしまうこともあります。
シメは、ゆっくりよく噛んで少量を楽しむ程度にしましょう。作る際は、米や麺類など炭水化物の量を控えめにして、野菜やキノコを足してボリュームを出すのもおすすめです。