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「ほぼ全員にびっくり仰天されます」 イギリス人が信じられない日本のクリスマス チキン以外に驚くこととは

公開日:  /  更新日:

著者:斎藤 理子

11月を超えると、クリスマス一色になるイギリス・ロンドン【写真:Aflo】
11月を超えると、クリスマス一色になるイギリス・ロンドン【写真:Aflo】

 日本では、クリスマスといえば恋人同士で過ごし、チキンとショートケーキを楽しむイベントというイメージが定着しています。しかし、その常識はイギリスではまったく通用しません。家族と静かに過ごし、豪華なディナーを囲むのが王道で、チキンもショートケーキも登場しないのが当たり前。なぜ、ここまで違うのでしょうか。フードジャーナリスト・斎藤理子さんが、イギリスで見てきたリアルなクリスマスの風景とともに、日本人が驚く“本場のクリスマス事情”を紹介します。

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街全体が輝き出す、イギリスのクリスマスシーズン

 11月に入ると、ロンドンはもちろんイギリス中の広場やスクエア、デパートやストリートなどでクリスマスツリーの点火式が始まります。メインストリートはもとより、小さな路地にいたるまで美しく趣向を凝らしたクリスマス・イルミネーションが煌めき、それはそれは華やかな雰囲気。1年で一番大きなお祭りの季節の到来を告げてくれます。

 冬は毎日曇りの日が続き、午後3時半くらいには日が暮れてしまいます。暗くなったらもうパブでお酒を飲むくらいしかやることがなくなるのですが、毎年趣向が変わる豪華なクリスマス・イルミネーションをあちこち見て回るのはこの季節ならでは。暗くて寒いからつい引きこもりがちになってしまう冬の、最大の楽しみでもあります。

 また、暖かい服を着込んで、クリスマスオーナメントや暖かい飲み物、食べ物を売る屋台が居並ぶクリスマスマーケットに繰り出すのも、クリスマスシーズンの大きな醍醐味です。

サンクスギビングはなくても、11月から本気モード

 イギリスにはサンクスギビングがないので(これはアメリカとカナダだけのお祭り)、11月に入ると一気にクリスマス気分が盛り上がり、クリスマス商戦もスタートします。サンクスギビングはないのに、ブラックフライデーのセールはあるので、実際はそこを狙ってクリスマスプレゼントを買う人が多いようです。

 日本では、クリスマスプレゼントは24日の夜に子どもたちの枕元にそっと置かれるのが一般的ですよね。しかし、イギリスでは買ったプレゼントは、クリスマスが来るまでツリーの下に積み重ねられていきます。もちろん子どもたちだけでなく家族全員の分があります。

 イギリスのほとんどの家には暖炉があり、クリスマスツリーはその横に設置されることが定番です。赤々と燃える暖炉の火とライトが点滅するするツリー、そして毎日少しずつ増えていくプレゼントの箱は、イギリス人なら誰もが心に大切にしまっているクリスマスの原風景です。

 ちなみに、イギリスでは12月26日はボクシング・デイという国民の祝日ですが、これは王室や貴族の家で25日中働いた使用人たちが休暇をもらい、クリスマスプレゼントの箱を開ける(boxing)日が由来だといわれています。