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「ほぼ全員にびっくり仰天されます」 イギリス人が信じられない日本のクリスマス チキン以外に驚くこととは

公開日:  /  更新日:

著者:斎藤 理子

日本とはまったく異なる、本場のごちそう事情

ターキーの丸焼きにグレービーソースやクランベリーソースが定番(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
ターキーの丸焼きにグレービーソースやクランベリーソースが定番(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 そして日本では、クリスマスにはなぜかチキンを食べることになっていますが、イギリスではチキンはほぼ食べません。クリスマスディナーといえばターキーです。

 おしゃれな家では鴨やガチョウ、さらにグルメな家ではほろほろ鳥や雷鳥や雉などの野鳥をローストしたりもしますが、基本的にはターキーです。

 これにソーセージミートや野菜で作るスタッフィングを詰めて、オーブンでじっくりと丸焼きにします。サイド(つけあわせ)は、ローストポテトやマッシュポテト、芽キャベツ、グリーンピースが必須。これにターキーの焼き汁で作るグレービーソースやクランベリーソースをかけて食べます。

 クリスマスのご馳走は、丸ごと一羽をローストが大原則なので、「日本ではクリスマスに鶏もも肉を焼いたのだとか、唐揚げだとかをよく食べるよ」とイギリス人に言っても信じてもらえないことが多いです。

 ましてや、ファストフードの某フライドチキンが大人気というと椅子から転げ落ちます。おいしいですけれどね。でも、クリスマスにわざわざ食べるものではないとは私も思います。

日本のショートケーキは不思議すぎる?

 もうひとつ、日本ではイチゴのショートケーキがクリスマスにはつきものですが、イギリスでは(アメリカでも)、これは絶対に食べません。

 彼らに言っても、頭の上にクエスチョンマークがたくさん浮かんで「なぜ? なぜショートケーキ?」と聞かれます。イギリスでは、クリスマス・プディングやミンスパイというものを食べますが、この説明を始めると長~くなるので割愛します。

 そもそも日本人はクリスチャンではない人がほとんどだし、どんな風にクリスマスを楽しもうと自由です。でも、魔改造されすぎた日のクリスマスを見ていると、イギリスの王道で温かいクリスマスが懐かしくなるのも事実です。

(斎藤 理子)

斎藤 理子(さいとう・りこ)

出版社で雑誌編集に携わったあと、イギリス・ロンドンなど海外に長年在住し、世界中をめぐって各地の食文化を体験。帰国後は日本国内外の食材生産者から、ミシュラン三つ星レストランや街角の立ち飲み店まで、幅広い食の現場を取材・執筆している。主な著作に「イギリスを食べつくす」(主婦の友社刊)、「隣人たちのブリティッシュスタイル」(NHK出版刊)がある。また、「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフによる連載記事を編集・監修した「田舎のリストランテ頑張る」(マガジンハウス刊)の編著者でもある。2011年には、イギリス政府観光庁よりメディアアワードを受賞。現在、やまがた特命観光・つや姫大使を務める。