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食べないのはもったいない! カボチャ調理で捨てがちなワタ…実は果肉より食物繊維5倍 栄養士が解説する調理法
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教えてくれた人:和漢 歩実
カボチャは捨てるところがない「エコな野菜」
カボチャを調理する際に、ワタを捨てている人もいるかもしれません。果肉部分よりも栄養メリットが多いので、食べないのはもったいないです。
ワタは、果肉よりもβカロテンが約2倍多く含まれるといわれています。繊維質な見た目からもわかるように、食物繊維も豊富で、果肉の約5倍あります。また止血効果やカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする働きのあるビタミンKも豊富です。
甘味が強い部分なので、果肉部分と一緒に調理すると、カボチャの風味がより増します。繊維質な食感が苦手な場合は、ミキサーにかけてなめらかにし、カボチャのポタージュスープにしてもおいしいです。βカロテンは、油と一緒にとると、吸収率がアップするといわれています。スープなら、仕上げにオリーブオイルを数滴垂らすことをおすすめします。
カボチャは、捨てるところがない「エコな野菜」といわれています。種や皮にも豊富な栄養が含まれており、食べられます。少し手間ですが、種はワタと一緒に取ったあと、水洗いして天日干しにし、素揚げして塩を振りかけると、香ばしくて食べやすいです。天日干しが面倒であれば、レンジを活用しても良いでしょう。
カボチャは切ると劣化が早い
カボチャは、いったん切ると劣化が早いです。すでにカットしてあるカボチャを買う場合は、ワタの部分が乾いていないものが新鮮といわれています。とくにワタの部分は傷みやすく、カビも生えやすいです。切ったらすぐに、大きめのスプーンでこそげるようにして取り、使いましょう。
切った果肉を保存する場合は、ワタをくり抜いた部分の水分を拭き取り、ラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。ワタが入っていた部分も、隙間がないよう、ぴったりと張りつけるように包むことがポイントです。日持ちしないので、早めに調理して食べ切りましょう。
大量にあって使い切れない場合は、適度な大きさにカットしたら電子レンジで加熱してやわらかくし、熱いうちにつぶします。冷めたら小分けにし、冷凍用の保存袋に平らにして入れて冷凍庫へ。使う際は、冷凍のままスープ料理にしたり、解凍してパンプキンサラダにしたりするとおいしいです。
栄養たっぷりのカボチャを冬至の食卓に取り入れて、本格的な寒さに備えたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾
