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抜けた乳歯は枕の下へ 子どもたちの“歯磨き習慣を育てる”米国の素敵な風習とは

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

次女が描いた白のドレスを着た“トゥース・フェアリー”の絵【写真:小田島勢子】
次女が描いた白のドレスを着た“トゥース・フェアリー”の絵【写真:小田島勢子】

「再生医療」でも注目される乳歯

 今回、歯の抜け変わりについてのお話をするにあたって、少し歯のことについて調べてみると、最新の歯の事情として興味深いことにたどり着きました。

 近年歯の研究が進み、歯の神経の細胞である歯髄細胞を用いた再生医療が注目されているといいます。神経疾患などの治療に使い始められ、数々の研究が活発に行われているようです。親知らずによって症状が回復している脊髄損傷の人の話などを聞き、その研究者や治療に携わる方々が白衣を着た“トゥース・フェアリー”であるように感じました。

 現在、アメリカには歯髄バンクという機関があり、乳歯や親知らずの抜歯後にその機関で適切に歯を保管してもらう方法がありますが、日本にもあるようですね。画期的な治療法として、歯は近い将来、私たちの救世主になるかもしれません。

 昔からの言い伝えも、現代の研究も、国と時代を超えて、文明を持つ人類が生み出した今を生きる私たちの宝物と感じつつ、今日も娘の歯をせっせと磨く母親、そして時々妖精の日々を送るのでした。

(小田島 勢子)