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「完全に主夫でした(笑)」 引退後の意外な日常 15年間のプロ野球生活に終止符を打った家族の時間

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

美馬アンナさん【写真:Hint-Pot編集部】
美馬アンナさん【写真:Hint-Pot編集部】

 元プロ野球選手の美馬学さんと俳優・アンナさん夫妻、長男・叶(リタ)くん、長女・光(ララ)ちゃんの4人家族は2026年、新たな生活をスタートさせることになりました。昨年限りで引退した学さんが、千葉ロッテの2軍投手コーチに就任し、指導者の道を歩むことになったのです。大きな転換期を迎えた夫の姿を見て、アンナさんは何を思うのか。また、美馬家にはどんな変化が訪れるのでしょうか。

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引退試合で家族が目に焼きつけた最後のマウンド

 2025年9月30日の楽天戦をもって、15年の現役生活にピリオドを打った学さん。最後のマウンドでは、かつての同僚・浅村栄斗選手と対戦し、空振り三振で締めくくりました。が、3球目を投げたときに右肘屈筋共同腱を断裂。なんとかフルカウントまで持ち込み、痛みをこらえて投げた6球目はゾーンを大きくはずれるボール球でしたが、渾身の投球に敬意を表した浅村選手が、バットを振って打席を終わらせたのです。

「浅村選手は、頭に当たりそうなボールも避けずに打席に立ってくれていましたが、さすがに私も『あれ? 何かおかしいな』と。そうしたら『やっちまったー。俺の腕は限界だったー(笑)』って戻ってきました。浅村選手が普段とは違う1番打者を買って出てくれたので、夫としては三球三振で『いい野球人生だった』って終わりたかったのに、まさか腱が切れるとは……。『俺ってこうなんだよなー。なんでかっこよく終われないんだろう』ってこぼしていましたが、私はあの姿を見て『なんてかっこいいんだ!』って感動しましたね」

 169センチと小柄ながら気迫あふれるスタイルで、泥臭く腕を振り続けた15年のプロ生活。最後の勇姿を目に焼きつけようと球場を埋めたファン、両軍の選手やスタッフらの前で「彼の生き様を見せることができたと思います」とアンナさんは振り返ります。試合後の引退セレモニーが終わったのは、午後10時過ぎ。「食堂の方々や裏方スタッフもみなさん残ってくださって、泣きながら握手をしてくださった。普段、家族は見ることができないところで、舞台裏でサポートしてくださる方々に夫がどんな接し方をしてきたのか、とてもよくわかりました」と微笑みます。

 リタくんとララちゃんも「パパ、かっこよかったー!」と感激した様子。「でも、けがしたんだよね。ボールが変なところにいってたもんねー!」と、見たままを笑顔で正直に伝えてしまうのはご愛敬。涙あり笑いありの引退試合は期せずして、学さんのキャリアが凝縮された時間となりました。