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「ベンツのミニチュアカーみたい」 同期の言葉に納得 元花組トップ娘役が男役から転向を決意した理由

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

「ベンツのミニチュア」からの脱却 自分を活かす場所はどこか

宝塚では珍しいとされる男役から娘役への転向の裏側も語った若葉ひろみさん【写真:くさかべまり】
宝塚では珍しいとされる男役から娘役への転向の裏側も語った若葉ひろみさん【写真:くさかべまり】

 順調に男役のスター街道を歩んでいた若葉さんでしたが、ある日、同期生からかけられた「ある言葉」が、若葉さんの人生を大きく変えることになります。

竹山:男役として重要な役を次々と任されていた若葉さんが、あえて娘役へ転向するという大きな決断をされたのはなぜだったのでしょうか。

若葉:24歳か25歳くらいのとき、一度、退団を考えたんです。新人公演で主演級を演じていたのですが、どこか「自分はミニチュア」だという感覚が拭えなくて。そんなとき、同期から「素敵だけど、本物のベンツじゃなくて『ベンツのミニチュアカー』みたい」と言われたんです。その言葉に、ムッとするどころか「ああ、その通りだ」と納得してしまった。背の高さやビジュアルを含め、男役としての限界を自分で感じていたんですね。

竹山:そこで立ち止まらず、自ら道を切り拓かれたのが若葉さんのすごさです。

若葉:プロデューサーに「転向したい」と直談判しました。そうしたら「来月から変わればいい」と言われて(笑)。自分を無理に型にはめるのではなく、もっと違う形で舞台に貢献できるのではないか。その直感に従ったんです。ただ、ずっと見守ってくれていた母は、私が相談なしに決めたことがショックだったようで。「あの子は私の相談なしに変わった」と言って、しばらく公演を観に来なくなってしまいました。親の期待を裏切る心苦しさはありましたが、最後は自分の人生。自分が納得できる道を選びたかったんです。