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「叶わないことって、あるんだ」 元娘役・春風ひとみさんが初めて知った挫折の味 不合格のショックに母と“迷子”になった日

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

インタビュアー:竹山 マユミ

ショックで母と迷子に 「叶わないことってあるんだ」

不合格のショックは春風ひとみさんを大きく変えた【写真:増田美咲】
不合格のショックは春風ひとみさんを大きく変えた【写真:増田美咲】

 合格発表の掲示板に自分の番号がない――。それまで、願えば何でも叶うと思って生きた少女にとって、それは初めて突きつけられた冷酷な現実でした。ショックのあまり、付き添っていた母親ともども、帰り道さえわからなくなってしまったといいます。

 竹山:試験は最終まで進まれたそうですが、このときは残念ながら不合格……。そのときの心境は覚えてらっしゃいますか?

 春風:それまでの私は、親にわがままに育てられ、何かをお願いすれば必ず叶うと思って生きてきました。だから15歳で初めて「あなたはダメです」とはっきり「拒絶」されたことは、本当にショックでした。「叶わないことって、あるんだ」と。

 竹山:お母様も、きっとつらかったでしょうね。

 春風:母も「娘がこれだけ頑張ったんだから受かるはず」と思っていたんでしょうね。ふたりで呆然として帰り道がわからなくなって、気づいたら新幹線とは逆方向、宝塚の奥の方へ行く電車に乗って迷子になっていました。あんなにしっかりしていた母が、私の不合格にショックで新大阪へ辿り着けなくなっている。それを見て、自分の甘さを痛感しました。『自分一人の問題じゃないんだ、プロになるってこういうことなんだ』と」

竹山:ショックの大きさがよく伝わってまいります。きっと初めて味わったであろうその挫折は、どのように乗り越えていかれたのですか。

 春風:会場には、宝塚に入るための専門学校で「傾向と対策」を完璧に学んできた人たちであふれていました。こんな、“ぽっと出”の私じゃダメだ、と。拒絶された体験はつらかったけれど、そこから自分なりに調べて、1年間徹底的にお稽古に通いました。