仕事・人生
トップ娘役への道を断ち28歳で退団 宝塚の“看板”を捨ててまで「自分を封印しないといけなかった」元娘役のプロ意識
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インタビュアー:竹山 マユミ

「今の自分は、本当にこの場所が最適なの?」――。仕事に慣れ、責任ある立場を任されるようになると、そんな不安に直面することもあるのではないでしょうか。自分らしい「今」を輝かせ続ける宝塚歌劇団OGたちをクローズアップする連載「華麗なる決断力~きらめきの続き~」。元月組娘役の春風ひとみさんインタビューの第2回は、キャリアの頂点で下した驚きの決断に迫ります。歴史に残る大役を演じ、トップの座が確実視されていながら、あえてその椅子を辞退して劇団を去る決断をしました。当時の思いなどについて、フリーアナウンサーの竹山マユミさんが迫りました。
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20代娘役が挑んだ「おばさん役」 伝説のマリア公爵夫人
春風さんの代名詞といえば、ミュージカル『ミー・アンド・マイガール』のマリア公爵夫人。厳格さのなかに深い愛情を秘めた、気品ある大役を、わずか20代半ばで演じ切り、伝説となりました。
竹山マユミさん(以下、竹山):あの凛とした包容力は、今振り返っても素晴らしくて印象深いです。当時はどのような思いで演じられていたのですか?
春風ひとみさん(以下、春風):私はもう、ただただ必死でした! ロンドンに舞台を観に行ったら、高齢の気品ある役者さんがマリア公爵夫人を演じられていました。おばさんより、さらに高齢な感じ。「私、この役をやってるんだ!」って娘役として衝撃でしたね(笑)。当時宝塚では海外ミュージカルの翻訳上演が始まったばかり。「ミー・アンド・マイガール」の日本初演でもあったわけですよね。どうすれば日本の、宝塚のお客様にこの笑いが通じるのか、稽古よりも会議室でセリフ探しをしていた記憶の方が強いです。
竹山:初演ならではのご苦労があったのですね。宝塚では異例のロングラン公演でもありましたよね。貴重なご経験だったのではないでしょうか。
春風:宝ですね。お客様がいつもここで笑ってくれるからと、欲を出して新しいことをやりすぎると役が崩れてしまう。上級生から「それは違うよ」とピシッと言っていただけたことは、後の役者人生において大きな財産になりました。
