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トップ娘役への道を断ち28歳で退団 宝塚の“看板”を捨ててまで「自分を封印しないといけなかった」春風ひとみさんのプロ意識

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

「マリー・アントワネット」を断り、外の世界へ

「演劇」に目覚めた春風ひとみさんに迷いはなかった【写真:増田美咲】
「演劇」に目覚めた春風ひとみさんに迷いはなかった【写真:増田美咲】

 月組のお芝居を支える存在として輝きを増すなか、劇団から大きな連絡が入ります。それは、誰もが憧れる『ベルサイユのばら』のマリー・アントワネット役への打診でした。

 竹山:そのお話をお断りして、退団を決められたと伺いました。なぜ、そのような大きなチャンスを前に「辞める」という決断ができたのでしょうか。

 春風:お芝居が、好きになりすぎちゃったんです。宝塚の様式美を大切にする芝居ではなく、もっと外の世界の、生を感じる「演劇」がしたくなっちゃったんです。そのために、宝塚特有の発声や仕草を一度、“封印”しなきゃいけない、今すぐ始めないと間に合わないと感じてしまったんです。打診は光栄でしたが、これを受けたら「辞める時」を逃すな、と。

 竹山:また、ご自身の新たな情熱が動きだしたのですね。

 春風:そうです。納得しないと進めない性格なので。でも辞める前に「最後は何をやりたい?」と聞かれてダメ元で「サウンド・オブ・ミュージックなんていいですよね」とつぶやいたら実現してしまった。生粋の娘役がバウホールの真ん中で主役を張るなんて異例のことで、本当に感謝しかありませんでした。