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「決してアクセスは良くない」のに外国人旅行客を魅了する那智勝浦 名古屋や大阪から特急で4時間でも目指すワケ
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外から来たからこそ気づいた那智勝浦の価値

こうして世界中の人が魅力を感じて訪れる那智勝浦ですが、地元に暮らす人々にとっては、この圧倒的な自然や歴史は長年当たり前の風景でした。一般社団法人那智勝浦観光機構の松下哲也理事長は、約2年半前にホテル経営者として那智勝浦に来た頃のことをこう振り返ります。
「熊野那智大社も含めた那智山、那智の滝には、歴史と文化が受け継がれています。とても神聖な場所なんです。しかし、地元の人たちにとってはその存在が暮らしのなかに普通にあるので、日常なんです。一方で我々からすると、那智山もここでしか食べられない生マグロも、非日常なんですよ」
地元の人にとっての普通が、この地を訪れる人にとっては貴重で特別な体験になる――。那智勝浦が持つその豊かさに気づいたとき、松下理事長の頭に浮かんだのは「もったいない」という言葉でした。
「こんなにいいものを持っているのに、町の人たちは控えめで自分たちからあまり自慢しないんです。自分は大阪出身ですが、これは自分が言っていかないと、って思ったんです」
外から来たからこそ気づいた、熊野那智大社が象徴する圧倒的な自然と歴史、那智勝浦だからこそ味わえる生マグロという食文化。その価値を裏打ちするように、那智勝浦町への外国人訪問者数は2025年に約11万5000人に達し、前年比で約40%増を記録しています。訪れる人の国籍もヨーロッパ、アジア、オセアニアと幅広く、駅前の足湯エリアにはさまざまな言語が飛び交っています。
アクセスが決して良いとはいえない場所であっても、世界中から人々が時間をかけて目指してくる那智勝浦。当たり前のように受け継がれてきた風景や文化、人の心の温かさや素朴さのなかに、旅人を引き寄せる理由があるのかもしれません。
(Hint-Pot編集部)