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「どうにか普通の子に追いつけないかな」 生後6か月から発達に遅れ…病名わからぬまま14年 15歳で判明した指定難病

公開日:  /  更新日:

著者:古川 諭香

「いつも笑顔」の裏にある本音を知りたいもどかしさ

 アンジェルマン症候群の症状のひとつに、睡眠障害があります。なかなか眠れなかったり、夜間や早朝に目が覚めたりすることがあるとされ、あおいくんは眠りが浅く、家族がそばにいないと安心して眠れません。

「知的障害があって話せないので、したいことや痛い部分があっても伝えることができません。2年ほど前に虫垂炎になったときは、なかなか気づけず、苦しかったと思います。わかってあげたいのにわかってあげられないもどかしさがあります」

ベビースイミングに通っていた頃【写真提供:Miho(mi.ho514)さん】
ベビースイミングに通っていた頃【写真提供:Miho(mi.ho514)さん】

 また、アンジェルマン症候群には、「ちょっとしたことで笑う」という特徴があるため、本人の表情から気持ちを汲み取ることが難しいという現実もあります。Mihoさんも、病名が判明するまでは、いつもニコニコしているあおいくんを見て、「機嫌のいい子」だと思っていたそうです。

「病名を知ってからは、笑顔が本人の意思と反していることもあるのだと理解しながら接するようになりました」

 言葉で自分の気持ちを伝えることが難しいあおいくんですが、Mihoさんが「気が合うのだろう」と感じる友達もいます。同じ放課後などデイサービスに通う1歳上の男の子とは、いつもふたりで笑いながら遊んでいるそうです。

「ふたりとも話すことはできませんが、言葉を越えた絆は感じます。ふたりの中で何が繰り広げられているのかが、とても気になります」

「親亡き後」を考えて募る不安

 Mihoさんは成長記録も兼ねて、あおいくんの障害や日常の様子をインスタグラムやスレッズで発信しています。そこには、家族からの愛情を受け、すくすく育っているあおいくんの姿があります。

「我が子に障害があったことで初めて、障害児や障害者が利用できる制度がわかりにくいことを知りました。当事者や家族が自分たちで情報を集めるのは難しいこともあるので、必要な人に支援や制度の情報がちゃんと届く仕組みになるとうれしいです」

 また、Mihoさんはあおいくんの将来を想うと不安に駆られます。とくに心配なのは、特別支援学校を卒業したあとの進路です。

「この子に合う事業所にめぐり会えるのか、楽しく暮らせるのかと考えてしまいます。将来、あおいの兄たちに頼ることは避けたいので、私たち親がお世話できなくなったあとのことも考えておかなければと思っています」

 私たちは普段、相手の表情から気持ちを読み取ろうとします。しかし、言葉で思いを伝えることが難しいあおいくんと暮らすMihoさんは、表情だけではわからない思いがあることを、日々感じています。

「わかってあげたいのにわかってあげられない」。そのもどかしさを抱えながらも、Mihoさんはあおいくんの小さな変化に目を向け、その思いを知ろうとし続けています。

(古川 諭香)