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「あれって、かなりありがたかったんだな」 海外在住日本人が実感した日本の配送サービス フランスで驚いた違いとは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

大型家具や家電は「どこまで運ぶか」も選ぶ

 もうひとつ、フランスで大型家電や家具を購入して驚いたことがあります。それが、「どこまで運んでもらうのか」によって、配送サービスが分かれていることです。

 建物の前までなのか。建物の中までなのか。自宅の玄関までなのか。それとも、実際に使う部屋まで運んでもらうのか。さらに設置までお願いするのか。ショップや商品によっては、建物にエレベーターがあるのか、届ける部屋が何階なのかによって条件が変わる場合もあります。

 フランスの家電ショップでは、実際に配送先によって料金が分けられています。たとえばConforamaでは、対象となる電化製品やテレビの配送について、建物の前までと、家の中の希望する部屋までで異なる料金が設定されています。

 Electro Depotでも、大型家電などの標準的な配送では、自宅前や建物の1階までが基本となり、室内への搬入や設置などは別のサービスになります。

 Hoover Franceでも、大型家電を建物前などまで届ける場合と、家の中の希望する部屋まで運んでもらう場合では条件が異なります。

 つまり「家まで届けてもらう」と「家の中まで運んでもらう」は同じではないのです。

「自宅前」と「指定した部屋まで」は別サービス

 日本でもおなじみのIKEAも同様です。私もフランスに来てからけっこうお世話になっています。普段は車で買い物に行くのですが、ある日「車に積みきれないかもしれないから、オンラインショッピングしてみよう」と思いつきました。

 そこで配送方法を確認してみると、受け取り拠点を利用する方法、小型荷物の配送、自宅前までの配送、さらに家の中の指定した部屋まで運んでもらう配送など、複数のサービスが用意されていました。

 なかでも驚いたのが「自宅前まで」と「家の中の指定した部屋まで」が完全なる別サービスだったことです。大型家具なら「家まで届く=使う場所まで運んでもらえる」となんとなく思っていた私にとっては、かなり新鮮でした。(2020年から日本のIKEAもこの方式をとっているようです)

 でも考えてみれば、重い家具を建物の前まで運ぶのと、階段や廊下を通って部屋の中まで運ぶのでは、配送する側の負担はまったく違います。

 そこにきっちり料金の差をつける。

「すべてお金が絡むとは、意外と合理的なシステムだなぁ」

 そんなふうにも思いました。

「受け取る前に確認してください」

 さらに、フランスで大型家具などを購入して驚いたのが、受け取るときの確認です。商品を指定した部屋まで運び込んでもらったあと、破損や商品の不足などがあれば、その場で配送員に伝え、配送伝票にも記録してもらうよう求められることがあります。

 私自身、これまで大きな鏡やサイドテーブルを購入した際に、この対応を経験しました。

 お店から届く発送通知メールにも「受け取る前に商品の状態を確認し、問題があればその場で配送員に伝えてください」という注意書きがかなり強調されていました。

 これを見て初めて「とりあえず大丈夫です」と確認せずに受け取ってしまうことの怖さに気づきました。

 日本にいた頃は、配送員から荷物を受け取るときに、箱を開けて中身まで確認することなどほとんどありませんでした。

「ありがとうございます」

 そう言って受け取り、そのまま家の中へ運び込む。それが私にとっては当たり前だったのです。

 ところがフランスでは、段ボールに大きなへこみや破れがないか、商品に明らかな破損がないか、確認できるものは受け取るときに確認するようになりました。

 フランスでオンラインショッピングを何度も経験するうちに、商品を買うことと、それをどこまで運んでもらうかは、別々のサービスなのだと考えるようになりました。

 自分が必要なサービスを選び、その分の料金を支払う。そう考えると、フランスの仕組みはとてもわかりやすいともいえます。

 一方、日本にいた頃は、大きな家具や家電を買っても「どこまで運んでもらえるんだろう?」と、ここまで細かく意識した記憶はありません。

 そして、何事もなく届いて、箱を開けても商品が無事。以前なら当たり前だと思っていたことですが、今ではそれだけで「今回は大丈夫だった!」と、ちょっとホッとしてしまいます。

 フランスで暮らし始めてから、日本で何気なく利用していた配送サービスについて「あれって、かなりありがたかったんだな」と気づくことが増えました。

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。