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仕事・人生

「水分は1日200ミリリットル」「トイレは1日2回」 希少難病の女性経営者が4年間続けた過酷な生活 必要な介助を受けるまでの苦悩

公開日:  /  更新日:

著者:古川 諭香

「研究が進んでほしい」 6人の同志と指定難病化を目指す

 必要な介助を受けられるようになった一方で、奈須さんには今も多くの課題が残されています。

 ヒアリン線維腫症候群は現在、国の指定難病に含まれていません。専門医も少なく、奈須さんには病気を総合的に診てもらえる主治医がいないそうです。そのため、体に現れた症状に応じて、どの診療科を受診するかを自分で判断しています。

背骨の曲がり方がわかる、奈須さんのレントゲン写真【写真提供:奈須香織(nasukaori_hyaline)さん】
背骨の曲がり方がわかる、奈須さんのレントゲン写真【写真提供:奈須香織(nasukaori_hyaline)さん】

「腫瘍が大きくなると、切除手術を受けます。これまでに10回以上、手術を受けました。ただ、総合的に体を診てもらうことが難しいので、同じ病気の人から『胃や腸にヒアリン(線維性物質)ができていた』と聞くと、自分にもあるのでは……と心配になります」

 また、介助を受けるための制度が分かれていることも課題のひとつ。日常生活を支援する重度訪問介護と、就労中の介助を支援する重度障害者等就労支援特別事業では、手続きや費用の請求方法が異なります。そのため、ヘルパー事業所の負担も大きく、受け入れを断られることもあるそうです。

オンラインのイベントも精力的に開催している【写真提供:奈須香織(nasukaori_hyaline)さん】
オンラインのイベントも精力的に開催している【写真提供:奈須香織(nasukaori_hyaline)さん】

「希少な障害だからこそ、まずは病名を知ってもらいたい。そして、もし同じ病気の人がいたらつながりたい。あなたはひとりじゃないです」

 現在、奈須さんは同じ病気の仲間6人と情報を共有しながら、指定難病化を目指した取り組みを考えています。病気への理解が広がり、研究が進むことを願っているのです。

 さらに、将来的には自身の居住区に重度訪問介護事業所を立ち上げ、ヘルパー不足の問題などにも取り組んでいきたいと思っています。

 かつて、必要な介助を受けられず、働くために日常生活のさまざまなことを我慢していた奈須さん。自身の経験を生かし、今度は同じような困難を抱える人たちが安心して暮らせる環境づくりを目指しています。

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(古川 諭香)