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「おうち時間」で心と身体を整える 自宅でできる季節の薬膳茶作り【薬膳の基礎4】

公開日:  /  更新日:

著者:村上 華子

家で過ごす時間が増えた今こそ、新しい挑戦を【写真:村上華子】
家で過ごす時間が増えた今こそ、新しい挑戦を【写真:村上華子】

 外出自粛や一斉休校、リモートワークなどこれまでとは違った生活環境でストレスを感じることもあるかもしれません。家にいることが多い今だからこそ、これまでできなかったことに挑戦する良い機会。薬膳というとハードルが高いイメージがありますが、「いたってシンプル」と言うのは、ヨガインストラクターで薬膳フードデザイナーの村上華子さん。連載「薬膳の基礎」の2回目では薬膳の知恵から6つの体質のチェックを紹介しましたが、4回目はこの時期にぴったりの薬膳茶について解説します。

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古くから日本に親しまれてきた茶 消化に負担かからず素早く吸収

 皆さん、お茶の始まりはご存じですか? その歴史は古く、約2700年前に記された中国最古の薬草の本「神農本草経」の中に、「最初に見つかった薬」として紹介されたのがお茶の始まりだとか。日本では、諸説ありますが、平安時代に遣唐使が中国から日本にお茶を持ち込んだとも言われています。当時は、固形の茶を砕いて煮出したものにショウガや甘葛を加え、「引茶」という呼び名で位の高い貴族や僧侶がたしなみ、今で言う栄養ドリンクのような位置付けだったようです。

 これら、古代中国から受け継がれた伝統的な背景を持つお茶に、野菜、果物、木の実、薬草などの食材を組み合わせて作る「薬膳茶」は、まさに「薬」と「茶」という2つの意味合いを含む、優秀な飲み物です。しかも、消化に負担をかけないで、栄養素を素早く吸収できるので、心身が疲弊している人や、お子さん、シニアの皆さんにも召し上がっていただけます。

 薬膳茶を作るために使う食材は、身近なものから「中薬(ちゅうやく)」と呼ばれる薬に使われるものまで、季節や体質に合わせて、その種類や組み合わせは豊富にあります。春夏秋冬それぞれの季節におすすめしたいベースのお茶に、持っていると便利な、通年使えるトッピング用の薬膳食材を紹介していきます。