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メーガン妃とヘンリー王子 見え隠れするダブルスタンダード “暴露本”伝記の発売は英王室を揺るがすのか

公開日:  /  更新日:

著者:森 昌利

都合が良いように事実をねじ曲げる? 夫妻へのバッシングの元凶

ヘンリー王子とメーガン妃【写真:Getty Images】
ヘンリー王子とメーガン妃【写真:Getty Images】

 結局、メーガン妃とヘンリー王子に対するバッシングの元凶は、こうした「ダブルスタンダード」にあると思う。

 例えば昨年夏に物議を醸したプライベートジェット問題。環境保全を訴える一方で、自分たちは大量の二酸化炭素を排出する自家用飛行機でバカンスを楽しんだ。また、金満な暮らしぶりもそうだろう。住まいの改修費に日本円にして3億円を超える公金を使用したり、5000万円もの大金をかけたベビーシャワーで妊娠のお祝いをされながら「世界から貧困をなくそう」とSNS上で宣言したりする。

 今回の「Finding Freedom(自由を探して)」の出版も、まさにそれと同じ類のことが見え隠れする。

 注目を集め、売るために「すべてを明かす」と宣伝しながら、本の内容には責任を持ちたくない。自分の言い分は一方的に、しかも声高に伝えるが、反論については「私が言ったことではない」として受け付けない。

 そういうダブルスタンダードは一般社会では許されないだろう。

本人でないと語れない感情的な内容の記述の数々

 公開された内容からは、ウイリアム王子がメーガン妃との交際について「あの女の子を知るために、必要な時間をかけた方がいい」というアドバイスをした瞬間、メーガン妃を“あの女の子”と呼んだ兄に弟のヘンリー王子が「見下している」と感じて、失望したという記述がある。

 まあ、この失望は言いがかりに近いようにも思えるが、こういう受け止め方があるということについて文句はない。しかし、ヘンリー王子個人の感情がどう動いたかということは本人以外、誰にも制御できない問題だ。

 ジャーナリストとして、この記述はヘンリー王子本人の証言がなければ書けないと断言できる。

 けれども公には、本人は「きっと他の誰かが著者にしゃべったのでしょう」ととぼけるのだろう。こういう点が非常に身勝手かつ子どもっぽい印象を与える。

 皮肉なことに、今回公開された内容の1つに、王室の上級スタッフが「あの人(メーガン妃)には信用できないと思わせる何かがある」と話したという記述もあるが、それはまさに、ダブルスタンダードとする素顔を瞬間的に感じ取られていたのではないだろうか。

「王室スタッフから信用できないところがあるだなんて、本当にひどいことを言われた」とメーガン妃がスコビー氏に暴露して言いつける。しかし、同時に「私たちからの協力はなかったことにして」と指示する。

 詰まるところ、王室生活の中でもそんな風に自分の都合の良いように事実をねじ曲げたり、他人を操ったりしようとする態度があって、王室スタッフからの信用を得られなかったのではないだろうか。