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【私の家族】「将来は保護猫カフェを…」 ボクシング世界王座11度防衛・内山高志のあふれる猫愛
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小さな野良猫を保護して里親を探すことも 「僕にとって、猫は家族」
僕が猫を好きになったのは、中学2年くらい。それまでは熱帯魚が好きだったんですけど、兄貴が拾ってきた野良猫2匹を飼い始めてからです。猫の何がいいって、とにかくかわいいでしょ。ただ単に、いるだけで癒やされる。埼玉の実家では、そこから途切れずに猫がいます。
僕は25歳でプロボクサーになった時、実家からジムに近い五反田に引っ越して、30歳くらいまで何も飼っていませんでした。当時の五反田には結構、野良猫がいたんですよ。雨の中、小さい猫が2、3匹震えているのを見つけると、とりあえず家に連れて帰って温めて、もらってくれる人を探して。
大きい猫は自分で餌を見つけられるけど、小さい猫はできなくてかわいそうじゃないですか。そんなことを何度かしているうちに、猫の保護活動をしている友達からも「誰か飼える人知らない?」って相談されるようになって、ボランティアで欲しい人や飼える人を探したりもしています。
僕にとって、猫は家族。いて当たり前の存在なので、家の中で姿が見えないと不安になります。棚の後ろに隠れていたり、クローゼットの奥で寝ていたりして、呼んでも餌をカラカラ鳴らしても出てこないと、「あれ、どこいったんだ?」って本当に心配になっちゃいますね。逆に、家に帰った時、玄関まで迎えにきてくれるとうれしくて。たまに夜遅く帰ると、“2人”とも布団の上から動かないで、迎えに来てくれない時もありますけど(笑)。
家族と一緒なので、僕は普通に猫に話しかけます。「今日は2人で何してたんだ?」「そんなに鶏肉おいしいか?」「やっぱりお前ら、かわいいな」って。たぶん、聞いてないでしょうけど(笑)。でも、みんな話しかけますよね?
出張や旅行で家を空ける時は、近所に住んでいる友達がエサをあげたり、トイレの処理をしてくれたりします。一度、クウちゃんをペットホテルに預けたことがあるんですよ。でも、相当泣き叫んだんでしょうね。家に帰ってきたら声が出ない。ア゙ァ~ア゙ァ~って(笑)。ああいうのを見ると預けたくないなと思って、友達を巻き込んだチームで見てもらっています。実家の母が出かける時は、僕と兄貴が1日交代で埼玉まで面倒見に行くこともありますね。
実家で飼うナナちゃんが急死「最期に会えたのは良かったけど、本当にショックでしたね」
実家には猫が2匹いたんですけど、7月に1匹、急死してしまいました。名前はナナちゃん。僕が7度目の防衛戦の時に、友達から引き取ってもらえないかって言われた猫なんですけど、当時住んでいたマンションがペット禁止だったので実家で飼うことにしたんです。もちろん、7度目だからナナちゃん。分かりやすいでしょ(笑)。
ナナちゃんは直前まで元気だったのに、急に発作を起こして立てなくなっちゃったんです。緊急治療したんですけど、獣医さんは脳腫瘍でしょう、と。母から長くはなさそうだと連絡をもらって、いてもたってもいられず、夜11時くらいに東京から埼玉の実家に戻りました。次の日は朝から神奈川の茅ヶ崎で用事があって前泊する予定だったんですけど、とりあえずナナちゃんに会いに行って、夜中に埼玉から茅ヶ崎に移動しました。そしたら、その朝に死んでしまって……。最期に会えたのは良かったけど、本当にショックでしたね。
もう1匹はミルクちゃんっていうトンキニーズです。これは11度目の防衛戦の直前に母が迎えた猫です。大晦日が試合で、12月20日頃に母が頼まれたチケットを東京まで取りにきたんですよ。その帰り道、僕の家の近くのペットショップに立ち寄ったらしく、3か月くらい買い手が付かずに今週までという猫を見つけて、抱っこしてみたらめちゃくちゃ人懐っこくてかわいくなって買っちゃった(笑)。買ったのはいいんですけど「年末は忙しいから1月1日に取りにきます」って、そのままペットショップに置いて家に帰ったんです。
その後、母から電話があって、何かと思えば「1月1日にペットショップで猫を引き取ってから、家に帰ってきて」って言うんです。僕、前日に防衛戦ですよ。試合をした後、起きたらペットショップに行って猫を引き取れって、よく言うなって(笑)。勝ったからいいですけど、もし負けてボコボコの顔で取りに行ったら、ペットショップの人は「この人、大丈夫か?」って思いますから。