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子ども用ストローもない移住先に驚愕 竹トイレットペーパー定期便開発者の気付き
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自分の当たり前が変わったポートランドでの移住生活
「BambooRoll」が、エシカル消費に興味を持つきっかけになれば……と語る松原さん。「昔から環境問題に興味があったんですか?」と尋ねると「いえ、まったく。20代は東京に住んでいて、東京の便利さや消費社会が大好きで、『24時間どこでも何でも手に入るのは最高!』って思ってました(笑)」とのこと。意識が変わったきっかけはどこにあったのでしょうか。
「ある時、鎌倉に引っ越したんですけど、そこが今思うと第1ステップだったのかなと思います。鎌倉は、鎌倉野菜の市場があるように、生産地に近い街。ただ消費する街じゃないところに10年間、住んでいたのは大きかったですね」
その後、2019年に家族で米国・ポートランドへ移住。「エシカルシティ」と呼ばれるほど、リユースとリサイクルが盛んな都市でもあるポートランドでは暮らしが劇的に変わり、「私の当たり前が、当たり前じゃなくなった」そうです。
「いかに自分の暮らしがエシカルじゃなかったか。疑問を抱く機会がなかったことに気付いたんです。それまでは、お肉やお魚はトレーにパックされているもの、ホウレン草もトマトもビニール袋に入っているものが当たり前だったけど、ここでは違う。移住とポートランドという街が、私の意識や環境への興味関心を引き出すのを手伝ってくれました」
子ども用ストローはなし マイバッグ&マイボトルが当たり前のポートランド
ポートランドには「主婦や母親ならではの驚くことがたくさんあるんですよ」と松原さん。その1つとして、子ども用のストローすら用意がなかったというエピソードがあります。
「当時、子どもが2歳だったんですけど、友達と動物園に行ったときに『ストローあるかな』って聞いたら『ないよ』って普通に言われて。その後もどこに行ってもないから、子どももストローなしが当たり前になってしまったんですよ。半年後くらいに、どこかでストローが出てきた時に、子どもが使い方を忘れちゃったくらい(笑)」
当然、スーパーなどの買い物もマイバッグになり、外出時にはペットボトルではなくマイボトルを持ち歩くようになったそう。「みんながその生活なので、変えざるを得ないという部分もありましたが、それがもう日常になってしまいました」といいます。
「便利なものに惹かれるというのは、やっぱり私も同じなので。毎日、家族全員のマイボトルを洗うのは、正直面倒くさい(笑)。でも、できることから始めるというのは、すごく大事だと思うんです。いったん、小さなことから始めてみませんか? という思いを込めたのが今回の『BambooRoll』です」