からだ・美容
血管の異常増殖がシミの原因に 皮膚科医が教える新たな知見と対策
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教えてくれた人:日比野 佐和子
コロナ禍も2年目。シミの原因といえば紫外線以外ですが、マスクによる肌ダメージやライフスタイルの変化でさらにリスクが上がっていることをご存じですか? シミ対策に詳しい皮膚科医の日比野佐和子先生に、リスクが上がったメカニズムとおすすめのシミケアを伺いました。
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コロナ禍でシミを実感している人が増加
資生堂が2021年3月に25~59歳の女性700名を対象に実施したアンケート調査によると、コロナ禍以降、シミや肝斑に対する意識が変わったと感じている人は42.6%と、全体の半数弱を占めています。
具体的には「より顔のシミ・肝斑が『気になるように』なった」(58.4%)、「シミ・肝斑ケアのために新しく美白化粧品を取り入れた」(27.5%)などの声があり、コロナ禍を機にケアの方法を変えた人もいるようです。
外出自粛で屋内にいることが多いから日焼けの心配は少なそう……と思っていた人もいるのでは。それなのになぜ、シミや肝斑が気になるのでしょう。
「コロナ禍にシミが増えるのはある意味必然かもしれません。マスクの摩擦が原因になっている他、運動不足や精神的ストレスもシミや肝斑が出現する一因になり得ます。
また、自粛期間にあまりメイクをしないことから、日中の乾燥や紫外線対策がおろそかになっているのも原因と考えられます。屋内にいるから紫外線ケアは不要、という考えは間違い。窓から差し込む光もシミなどの原因になるので、屋内でも下地やファンデーションをつけてUVカットと潤いケアにつなげましょう」(日比野先生)
肌ダメージが原因で起こる“血管の異常増殖”が実はシミの根本原因
紫外線やマスクの摩擦がシミや肝斑につながってしまう、その根本的な原因は何でしょうか? 日比野先生によると、「血管の異常な増殖」という新たな知見が注目されているそう。
「紫外線やマスクすれによる物理的な刺激によって肌にダメージが加わると、その部分に栄養を与えようと血管が伸びていく習性があり、肌の内部の血管新生が促進されます。
ダメージを受けると、メラニン色素の産生を活性化させる『ウロキナーゼ』という酵素が分泌され、この酵素が原因となり血管の新生を促進。また『ウロキナーゼ』の活性が高まると、メラニン生成の引き金となる酵素『チロシナーゼ』の活性も高まり、メラニンを増やしてしまうのです」