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性行為がないカップルは心が離れやすい? コロナ禍で訪れた性生活の変化とは

公開日:  /  更新日:

著者:yoshimi

教えてくれた人:OliviA

性欲は住環境が影響する結果に

TENGA調べ「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」より【画像提供:株式会社TENGA】
TENGA調べ「新型コロナウイルスと性生活に関する調査」より【画像提供:株式会社TENGA】

 ただし、性欲に関しては住環境もやや影響しているようです。「性欲の強さ」を10段階で回答する設問で「4月中旬~5月末」の男性全体平均値は「5.8」。これを0.3ポイント以上上回ったのは「7都道府県・独身・一人暮らし」(6.1)と「7都道府県・既婚・子あり」(6.2)、「その他エリア・既婚・子あり」(6.3)でした。

 中でも「7都道府県・独身・一人暮らし」はその他の期間もあわせて全体的に上昇傾向です。男性は性欲がアップし、マスターベーションの回数も増えている。これは自分だけの場所が確保されている状態で、なおかつ家にいる時間が長くなっている影響とも考えられます。

 その一方で女性の場合、同時期の女性全体平均値「3.6」を0.3ポイント以上上回っているのは「7都道府県・独身・一人暮らし」(3.9)と「その他エリア・独身・同居人あり」(4.0)。男性で6.2だった「7都道府県・既婚・子あり」は女性で3.1と逆に0.5ポイント以上も下回っており、その他の期間も併せて全体的に低下傾向です。

 お子さんがいる既婚者や家族と同居している人は性欲が減少しているという傾向を読み取ることができるでしょう。1人の時間が少なくなった、生活のリズムが崩れている影響もやはりあるのかなと思います。

 これは性生活に限らないことですが、コロナ禍前は男女問わず生活にもっとメリハリがあったのではないでしょうか。家は家、仕事は仕事。家族に見せる顔と仕事での顔を使い分けることで自分の中でもメリハリが付いていましたが、外出自粛やテレワークなどで難しくなったというところもあるのかなと感じています。

夜の生活には昼の関係性が反映される

【今回のお悩み3】
「在宅勤務になりましたが、妻がどこかイライラしているような気がします。夜の生活も逆に減りました。一緒にいる時間が長ければ仲は深まると考えていましたが、実際は逆なのでしょうか?」(Tさん)

 これは男性からのご相談ですので、「どうして妻がイライラしているのか」について女性目線でアドバイスできればと思います。まず、「在宅勤務になってから、家事と育児の分担を見直しましたか?」とお聞きしたいです。

 今までは朝と夜だけだった食事の支度に、お昼ごはんが加わる。「それだけでもかなり負担だ」という声を既婚女性からよく聞きます。「2人とも在宅勤務になったから家事を分担しよう」ではなく、「俺は仕事だから」と部屋にこもっている。共働きの女性だと「私も同じ在宅勤務なのに、なぜ自分ばかり負担が大きくなるのだろう」と思うのではないでしょうか。

 性生活は夜の生活と言いますが、昼の関係性が反映されるものでもあります。こういった家事と育児の分担問題が夜の生活に影響してくる傾向は、他のカウンセラーからもよく耳にするものです。このため、夜の生活が減ったのであれば、まず昼の関係性を見直してみることをおすすめします。

以心伝心を期待せずに話し合うこと

 イライラしているように見えるのであれば、何にイライラしているのか、何が原因なのかを2人で話し合ってみてはいかがでしょうか。カウンセリング時にいつもお伝えしているのは、「コミュニケーションに以心伝心はない」ということ。ですから、きちんと向き合うことから始めてみてはどうかなと思います。

 また、「一緒にいる時間が長ければ仲が深まる」というのも、元々の関係性あってのもの。2人とも外で仕事をしていて、リラックスできる夜の時間だけを一緒に過ごすというのが、ちょうどいいバランスだったのかもしれません。それが崩れることでストレスになっている可能性も考えられます。

 対策としては話し合うことが一番ですが、それぞれ1人の時間を作るよう心がけることもおすすめです。仕事のスペースとして部屋を仕切ったり、分けたりするだけでも変化があるかもしれません。

 話し合いも「家の中だとイライラが募って難しい」のであれば、散歩をしながらなど環境を変えてみる。歩きながらなど、動きを伴うと意外とスムーズに会話できたりしますから。「最近、ライフスタイルが変わってきたけどどうかな?」と、気分転換しながらお話ししてみてください。

(yoshimi)

OliviA(オリビア)

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー(R)、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)など。