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ジュースや水羊羹も美味 夏限定のレアな旬野菜「赤シソ」 農家が語る魅力とは
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茨城で兼業農家を営むこばやしなつみさんは、自身の本業をフリーランスでこなす一方、サラリーマンの夫と義両親とともに小さな農家として、少量多品種で米と野菜作りに取り組まれています。そんなこばやしさんが梅雨から夏にかけて楽しみにしているのが、「赤シソ」を使ったジュース。さわやかな味わいで、夏バテにも効果があるとされています。今回は、今しか味わえない赤シソの魅力をたっぷりと綴ります。
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夏が近付くと恋しくなる、あの鮮やかなマゼンタ色の飲み物
6~7月にしか出回らない紫の食材といえば「赤シソ」。梅干しやジュースにするのが定番ですが、私にとっては魅惑の食材の1つです。
その理由は、“遠方に住む親戚”のような存在だから。暑くなってきて「あのマゼンタ色が恋しいな」と赤シソのジュースを体が欲しても、コンビニなどで売られているコーラやお茶のように手軽には手に入らないのです。
一年中、店頭で手に入る青ジソに対して、赤シソは他の時期に出合うことがほぼありません。ナスやトマトのように夏料理の“主役”には到底なり得ない上に、出回る時期は超短期間。にもかかわらず、旬である今頃の時期には売り場の片隅にちょこんと売られていたり、また近年では全国の農家による予約販売も大々的にされるようになっています。そんなところに根強いファンを掴んで離さない、“静かな人気者感”が漂っていると私は思います。