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ジュースや水羊羹も美味 夏限定のレアな旬野菜「赤シソ」 農家が語る魅力とは

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

地域こだわりの古来種 クラフトビールなどユニークな加工品も魅力

色や香りを生かした加工品も人気の赤シソ【写真:こばやしなつみ】
色や香りを生かした加工品も人気の赤シソ【写真:こばやしなつみ】

 赤シソは、シソ科シソ属で青シソの仲間です。原産地は中国南部、ヒマラヤ、ミャンマーで一年草。

 日本におけるシソの主な産地は愛知ですが、静岡、大分、宮崎、関東では群馬、茨城などでも栽培・出荷されています。また市町村によっては、小規模であっても生産が盛んなところも。

 京都の大原では古来種の赤シソを伝承していくための活動を積極的に行っている他、高知県本山町の汗見川地区では赤シソ栽培の伝統を残そうと、農家、地域住民、町内の食品メーカーが連携し、アイスやストレートで飲めるジュース、クラフトビールなどの加工品を県外にも販売しています。

 ちなみに、赤シソとその加工品の生産や販売促進支援に関わる高知県本山町地域支援企画員の古賀直樹さんによると、「現在は加工品人気に伴い、作付面積も増加傾向にある」といいます。今後に向けては、赤シソならではのさわやかな香りを生かした、食品以外のユニークな商品開発を地域住民の方々と試案されているとか。

 その魅力と可能性は多面的で知れば知るほど興味深いです。

天然の着色料であり夏にうれしい強い“防腐効果”も

 赤シソといえば、梅干しの“お化粧”としてのイメージが強いですが、梅干しの色付けに使われるようになったのは江戸時代初期からだそう。パッと鮮やかな赤の梅干しには有無を言わさず食欲をそそられるのが日本人。先人の、光るフードデザインセンスに舌を巻いてしまいます。

 また、ペリルアルデヒドという強い防腐力を持つ成分が含まれている点にも、食中毒を防ぐ生活の知恵が感じられます。今では江戸時代以上に暑い夏を過ごす現代人の、食事や保存食作りにぴったりの食材ではないでしょうか。