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子宮頸がんから復活 美ボディ競技の女王が闘いを経て目指す新ステージとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

「誰かが輝くサポートをすることが、私が私らしく輝く道」

次なる目標に向かってすでに頭の中にははっきりとしたビジョンがある長瀬さん【写真:荒川祐史】
次なる目標に向かってすでに頭の中にははっきりとしたビジョンがある長瀬さん【写真:荒川祐史】

 ただし、この目標を実現させるためには、世界マスターズ選手権で優勝が必要不可欠だと長瀬さんは考えます。そして、「実績がなければ説得力がないし、スポンサーも集まらない。だから、私は世界で優勝します」と力強く宣言。

 その足がかりとして、9月5日に開催された第8回オールジャパンビキニフィットネス選手権大会(40歳以上45歳未満・160センチ超級)で優勝。世界を見据えて順調に歩を進めています。

「今、大会に出るモチベーションはそこ。マスターズが注目されるイベントを開催するためだけですね。自分がキラキラするよりも、誰かが喜ぶ姿を見る方が好きだし楽しい。誰かが輝くサポートをすることが、私が私らしく輝く道なんじゃないかと思います」

 フィットネスに傾倒し、“ありのままの自分”に気付いた長瀬さん。がんも乗り越えた今、「私らしさ」について思いをめぐらす女性たちへ「昔、何が好きだったか思い出してみるといいかも」とアドバイスを送ります。

「就職前や結婚前、何のしがらみもなかった頃、好きだったことや興味を持っていたことが、実はずっと影響しているような気がするんですよね。年齢を重ねるごとについた知恵が邪魔をすることがあったり、仕事や家族などの制約が増えたり……。

 そういうものがなかった時、どんなことに興味があったのか。小物を集めるのが好きだったとか、みんなでごはんに行くのが好きだったとか、そういうところに今後の生活を豊かに過ごせるヒントがあるんじゃないかと思います」

◇長瀬陽子(ながせ・ようこ)
1977年生まれ。美術系の高校を経て、美術大学ではテキスタイルデザインを学ぶ。卒業後にデザイン会社に務めるが、結婚を機に退職して主婦に。その後、ドレスの輸入販売や製作販売サイト運営、パーティーの企画・運営に携わる。2015年、ミセス・ワールド世界大会に日本代表として参加。37歳でトレーニングに目覚め、2018年にJBBF全日本選手権で初優勝すると翌年も連覇した。2018年に子宮頸がんが判明。2019年に子宮摘出手術を受けて見事克服し、同年のアジアマスターズ選手権2位、IFBB世界マスターズ選手権3位の好成績を収めた。現在は現役ビキニフィットネス選手として活動しながら、ミセスコンテストの審査員も務める。

(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)