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韓国の「水刺身」って何? ピリ辛みそスープが絶品 専門店のプロが教える魚料理
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一人暮らしや料理初心者にはなかなか手が出しづらい魚料理ですが、ほぼ一年中スーパーに並ぶなじみ深い「アジ」を使えば絶品料理もお手軽。この連載では、東京屈指の絶品アジフライが人気の「釣りあじ食堂」(新宿区大久保駅南口徒歩1分)で店主を務める神山克也さんがとっておきのアジレシピを伝授します。今回は韓国風の刺身料理です。
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冷えたピリ辛みそスープで味わう極うまの一品
前回ご紹介した日本の漁師料理「なめろう」に続き、今回はお隣の国・韓国の港町に伝わる「ムルフェ」という郷土食です。「ムル」は「水」、「フェ」は「刺身」で、すなわち「水刺身」。いわば韓国風の刺身料理です。
ムルフェは、釜山(プサン)の北に位置する港町、浦項(ポハン)の漁師が船上で食べていたのが始まり。獲ったばかりの魚介をさばいてブツ切りにし、コチュジャン(唐辛子みそ)を効かせたスープをかけて、力仕事である漁の合間にお腹にかき込むわけです。現地ではタラ、マダイなどの白身魚やイカ、ホヤなどが使われます。
私の場合は活きアジを使い、スープは日本人の舌に合うようみそでマイルドな風味にアレンジしています。魚をさばくのが苦手な方は、魚屋さんやスーパーで売っているパック詰めの刺身を使っても手軽でおいしくいただけるでしょう。
アジはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)を多く含み、脳細胞の活性化や血液をサラサラにして中性脂肪を下げるなどの効果が期待できるといわれてます。緑黄野菜と一緒に盛って、ニンニクなどを加えた冷たいピリ辛のみそスープをかけて味わえば、季節の変わり目でなまった脳や体が活性化するかも?
○アジの水刺身
【材料】(2人前)
マアジ 2尾
ワカメ 少々
お好みの葉野菜 適量(サニーレタスなど)
ミニトマト 2個
明太子 1腹
青唐辛子 1本
炒りゴマ 少々
◎ピリ辛みそスープ
酢 100cc
砂糖 50g
冷水 500cc
みそ 80g
コチュジャン 120g
おろしニンニク 少々
キュウリ 1本
【作り方】
◎ピリ辛みそスープ
1. 鍋に酢と砂糖を入れて火にかける。砂糖をよく溶かして冷ます
2. 冷めたら、冷水、みそ、コチュジャン、おろしニンニクを入れ、味をなじませるようにかき混ぜる
3. スライスしたキュウリを浮かせて、冷蔵庫で1~2時間冷やしておく
○アジの水刺身
1. アジは3枚におろして、片身の皮をはいでぶつ切りに。皮目に飾り包丁を入れると食べやすくなり、見た目もきれい
2. 深鉢(深皿でもいい)の底に食べやすい大きさに切ったワカメを敷き、水切りした葉野菜をたっぷりのせる
3. その上に、輪切りにした明太子、四つ切りにしたミニトマト、小口切りの青唐辛子を見栄え良くのせて、1のアジのぶつ切りを盛り付ける
4. 具材がひたひたになる程度までピリ辛みそスープをかける
5. 炒りゴマを振りかけて出来上がり