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「モネ」が3回受けた気象予報士試験に一発合格! 30歳女性アナのこだわり勉強法
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「とにかく過去問を繰り返して解くことが近道」 知人からの教え
まずは、参考書の「気象予報士完全攻略ガイド」を手にし、目を通した。当然、知らないことが大半だったが、すぐに過去の試験問題に取りかかった。
「勉強を始めるにあたって、SBS時代にお世話になった先輩の配偶者の方に相談しました。この方は東大卒で大学受験に向けて勉強法を教えていらっしゃって、気象予報士試験に関しては『とにかく過去問を繰り返して解くことが近道』と伝えてくださいました。私自身は高校から内部進学で大学に入ったので、本格的な受験勉強は未経験。とにかくその言葉を信じました」
気象予報士試験は1次(学科試験)がマークシート方式で、2次(実技試験)は記述式で行われる。1次は「予報業務に関する一般知識」と「予報業務に関する専門知識」が、どちらも15問ずつ出題される。合格基準は11問の正解。黒田アナは、約4か月後の21年1月31日に行われる1次突破を目指したが、当初は壁に当たる連続だったという。
「もう、分からないことだらけだったからです。数学のサイン、コサイン、タンジェントや物理の公式を理解していなければ、解けない問題もあったりで……。私は文系出身ですし、1、2問はあるそのような問題を捨てる選択もありました。ただ、合格の可能性を広げるために逃げてはいられない。1つの問題を解くのにどんな知識が必要なのかを調べ、その基礎から学び、用語も調べていく。そして、15問の内容と解答を1週間かけて理解していくことを始めました」
試験1か月前から「全集中」のがむしゃらモード
人は学びから離れていると、知識が抜け落ちていく。黒田アナもそうで、「2桁以上になると割り算のひっ算も怪しかった」と明かす。しかし、分からないことはすべて「ネット検索」をして前進。そして、残り1か月の時点から「がむしゃらモード」に入ったという。
「この時点でどれだけの力があるかを考え、気象予報士スクールで模擬試験を受けました。基準点には達していませんでしたが、とにかく通りたい一心で追い込みました。仕事はシフト制で夜10時~朝6時の夜勤もあれば、日中に働くこともありますが、過去問対策でネット検索を繰り返して作ったノートを空き時間に見ていました。そして、プライベートな時間は、睡眠と食事を除いて勉強に全集中。友人にも『試験までの1か月間は誘わないでね』と伝えていました」
1次試験を終えて自己採点をすると、「一般知識」は11点、「専門知識」は10点。「合格に届かなかったのか」と思っていたが、3月1日には「1次通過」の知らせが郵便で届いた。
「今回は試験問題が難しかったということで、一般は10点、専門は9点が合格ラインになっていました。これで2次試験に進むことができたので、また勉強の日々になりました」
紹介された女性気象予報士との「文通」でさらに前進
だが、2次はさらに難関で、「気象概況及びその変動の把握」「局地的な気象の予報」「台風等緊急時における対応」を問われ、合格基準は総得点の70%以上。天気図を基に記述と作図で解答する「実技試験」ゆえに、「ネット検索」だけでは前進できるものではない。救ってくれたのは、TBSで勤務する気象予報士だった。
「2次の過去問については、解答を見て調べても理解できないものが出てきました。そんな中、仕事の合間に試験勉強をしている私を気にかけてくださったスタッフの方が、女性の気象予報士さんを紹介してくださいました。本当に救いの神でした。
ただ、シフトが合う日はほとんどなかったので、ポイントを絞った質問事項を書いてレターケースに入れ、返事を私のレターケースに入れてくださる『文通』のやりとりになりました。私のために時間を割いていただいたありがたさもあって、さらに頑張れました」
2次試験は8月22日。黒田アナは、1次試験の時と同様に1か月前から「全集中」状態になった。模擬試験を受け、基準点に達していなくても、過去問を繰り返して解く勉強法を継続した。
「試験勉強を進めていく中で、『過去問10年分を3周やる』と決めていたので、残り1か月になってもその目標に向かいました。試験は年2回なので10年で20回分の過去問。『1週間で1回分を理解』が基本でしたが、分からないところが少なくなると、どんどんペースアップしていきました」