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「モネ」が3回受けた気象予報士試験に一発合格! 30歳女性アナのこだわり勉強法
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試験当日に思い出した先輩からの言葉「生放送に失敗なし」
試験当日の朝は、SBS時代に先輩からかけてもらった言葉を思い出していたという。
「『生放送に失敗なし』です。放送中は何が起こるか分からないものですが、可能な限りの準備をして臨むように教え込まれてきました。その中で言葉を発していくのが生放送で、それがすべてです。試験も同じ。自分の中で『これだけやったんだ』という思いがあったからこそ、『あとは表現するだけだ』という思いで臨めました」
そして、黒田アナは合格証書を手にした。全受験者2920人(男性2213人、女性707人)、合格者124人(男性95人、女性29人)で合格率4.2%。最近10回の試験では、最難関だった。そして、「おかえりモネ」の影響で、この資格への注目度は高まっている。黒田アナはこれをどう生かしていくのか。
「私としては『TBS NEWSキャスター』の仕事をさせていただきながら、何らかの形で予報業務に携われればと思います。育てていただいた静岡県の熱海市で起きた土石流災害は胸が痛みましたが、正確な予報で災害の被害が減るように努めたいです。その上でお天気が悪い時でも、ポジティブになれる要素も込めた予報ができたらと思います」
決して1人では成し遂げられなかった難関突破。黒田アナは「『巻き込んでしまった人々の時間をこれ以上、奪ってはいけない』と思い、最後は頭にねじ込むくらいの気持ちでした」と振り返る。テレビ局勤務がゆえに気象予報士と出会える状況もあった。だが、その必死さがあったからこその「一発合格」だった。
気象予報士制度が1994年度に導入され、始まった国家資格の試験。大気や自然現象などの一般知識、中長期予測などの専門的な内容も問われる。マークシートによる1次(2科目の学科試験)の合格者は、発表日から1年以内に行われる試験において、合格した科目の試験が免除となる。試験は94年度は3回、翌95年度以降は2回で、今年度の1度目までに計53回実施。当初の合格率は10%台だったが、97年度以降は5%、4%台で定着。トータルでは20万7472人が受験し、1万1449人が突破しており、合格率5.5%。資格所得者で構成される「一般社団法人 気象予報士会」の会員は現在、約3300人と発表されている。昨今は著名人の資格所得者も見られ、俳優の石原良純は受験2回目、Snow Manの阿部亮平は5回目、AKB48武藤十夢は8回目で合格している。
1991年4月3日、横浜市出身。法政大女子高(現法政大国際高)から法政大学法学部国際政治学科に進学。卒業後、NHK仙台放送局に契約アナウンサーとして勤務。15年4月、SBS静岡放送に入社。スポーツ番組「みなスポ」、ラジオ番組「聴くディラン」などを担当。同社を20年10月末に退社し、フリーアナに転身。現在は「TBS NEWSキャスター」として、同局のニュースを担当している。
(柳田 通斉)