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からだ・美容

秋冬になかなか寝付けないのはなぜ? 快眠を作る具体的行動とは 秘密は自律神経に

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

教えてくれた人:西谷 綾子

副交感神経を優位にするために意識したいポイント2つ

 夜は本来なら副交感神経が優位に働き、眠りにつながります。しかし、交感神経が高ぶっている場合は、より積極的に体を休めてリラックスできるようなサポートが必要です。

 体が疲れている時は交感神経が優位のままでも眠りにつくことができますが、この状態の脳は興奮しており、血圧や心拍数、呼吸数も高いまま。そのため、どれだけ眠っても疲れが取れにくくなってしまいます。そこで深い睡眠を作るには、副交感神経を優位にすることが必要です。就寝前に意識したいポイントは2つあります。

【就寝前に意識したいポイント1:交感神経を刺激しない】
 副交感神経を優位にするためには、交感神経を不必要に刺激しないこと。眠る前に気がかりの種を抱え込まないことが大切です。

 前回、お布団を「安心して眠れる場所だ」と脳に記憶させるため、ベッドなどでスマホを見ないようにしていただきたいという話をしました。それ以前の問題として、スマホから得るさまざまな情報があなたの交感神経を刺激することを避けたいのです。眠る時はその日、気がかりだったことからなるべく離れ、気持ちの余裕を作るように心がけてください。

【就寝前に意識したいポイント2:深部体温を下げる】
 深部体温を下げる必要がある理由は、それが低くなるにつれて私たちは眠気を感じるから。私たちは眠りにつく時、手足から放熱し、深部体温を下げています。

 深部体温を下げるためには、一度、ぐんと体温を上げるのが効果的。一番効果的なのは入浴です。眠る1時間半前に38~40度のお湯に15分程度浸かると、1時間後に体温が下がり自然と眠りが訪れます。

 入浴後に靴下を履いて眠るという方も多いかもしれませんが、熱を放出する手足を覆ってはいけません。

 でも、足首だけは別。足首が冷えると、体は深部の熱を体内に閉じ込めようとしてしまうからです。熱が閉じ込められると深部体温が下がらず、眠りが浅くなり、眠ることはできてもなかなか疲れが取れません。逆に足首が温まっていると足の裏から汗をかき、効率よく体温を放熱することができるので、ぐっすり眠れるというわけです。

 足首の保温には、ゆったりしたレッグウォーマーなどがおすすめ。女性は冷え性に敏感ですが、実は男性にも多いんです。足首を保温していただくことで、より深い睡眠につながります。ぜひ試してみてくださいね。

(関口 裕子)

西谷 綾子(にしたに・あやこ)

1986年4月4日、鳥取県生まれ。小学校3年生からバスケットボールを始め高校時代にはインターハイ・ウィンターカップ3年連続出場。モデルの仕事でランニングと出合い、2009年から本格的なトレーニングを開始。10年に初フルマラソンで完走し、16年の東京マラソンで3時間1分32秒という自己ベストを記録した。怪我をしないランニングライフを推奨した講習会や、睡眠改善インストラクターの資格を生かした「上手に寝て、健康になる」講演会を開催中。