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「考えながら食べる習慣」が大事…賛否両論の断食ブーム 有名書籍の著者2人に聞く

著者:柳田 通斉

現代人は胃を休めるべき?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
現代人は胃を休めるべき?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 2021年、「ファスティング(fasting)」のブームが再燃しました。英語の「fast」という動詞(断食する、絶食をする)の名詞形で、「断食」「絶食」を意味する食事療法です。「16時間断食」を提唱する医師の青木厚氏と鍼灸師の関口賢氏の著書は、累計発行部数がそれぞれ数十万部を超えています。賛否両論あるこの両方について、著者のおふたりに「胃を休める」ことの重要性などについて話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

16時間断食で「オートファジー」…研究者はノーベル賞

 青木厚氏の著書「『空腹』こそ最強のクスリ」(アスコム刊)は、2021年12月5日に第43刷となりました。青木氏が院長を務めるあおき内科・さいたま糖尿病クリニック(埼玉県さいたま市)は来院者が途切れず、青木氏は患者の状態を見た上で、「16時間断食」を勧めています。

「この本は2019年2月が初版でしたが、今年1月下旬にオリエンタルラジオの中田敦彦さんが、ご自身のYouTubeチャンネルで本の内容を身振り手振りで紹介されました。それがきっかけですぐに5万部増刷に。以降も売れ続けていて、こちらにも問い合わせが多く来ています。私は中田さんとの面識はありませんが、その影響力の大きさに驚くばかりです」

 青木氏によると、「16時間断食」のポイントは下記です。

○食事は1日のうち8時間は好きなものを何回食べてもOKだが、食事を取ってから16時間は食事を控える
○16時間の空腹を設けることで、内臓の働きがアップ。空腹が10時間を超えると脂肪の燃焼がスタートし、成長ホルモンの分泌を促進。代謝も良くなる

「最後に食べて10時間ほど経つと、肝臓に蓄えられた糖がなくなり、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると体に備わる『オートファジー』という仕組みが働くようになります。オートファジーとは『細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる』というものです。2016年には、東京工業大学の大隅良典栄誉教授がオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞するなど、世界的に注目を集め続けています」

「16時間以上、空腹の時間を作ると最大の効果を得られる」という結論に

 青木氏は40歳で舌がんを患い、体質改善に取り組む中で、「断食」に関するさまざまな論文を読んだそうです。そして、自らも「断食」を実践し、「16時間以上、空腹の時間を作ると最大の効果を得られる」という結論に至りました。

「『空腹』こそ最強のクスリ」著者の医師・青木厚氏【写真提供:青木厚】
「『空腹』こそ最強のクスリ」著者の医師・青木厚氏【写真提供:青木厚】

「『16時間は長い』と感じる方もいらっしゃると思いますが、睡眠時間を挟むと無理なく実行していただけるはずです。ただ、取り組んで最初の1か月はつらいと思います。『お腹が空いてイライラして、集中力が落ちて、仕事に差し障りがある』という状況なら、レスキュー食として、ナッツ類(できれば味付けなし、素焼きのもの)を食べてください。ナッツ類は低糖質で良質な脂肪も含まれています。

 また、ナッツに多く含まれる不飽和脂肪酸が、オートファジーを活性化させることも、まだ研究段階ですが分かってきています。そういう意味では、ナッツ類はこの食事法の頼りになるパートナーといえるでしょう。もし、ナッツ類にアレルギーがあるなら、生野菜、チーズ、ヨーグルトでお腹を満たせばいいし、一緒に0カロリーのお酒を飲んでもかまいません。ごはん、パン、肉など、『食べる塊』を口に入れなければ、大丈夫です」

「ファスティングブーム再燃」を象徴する動きもあります。コンパクトホテルを全国展開する株式会社ファーストキャビンHD(本社・東京)はこのほど、青木氏と業務提携し、「ファーストファスティング-青木式16時間断食プラン-」を発表しました。

「このプランは16時間断食の取っかかりとして良いと思います。家の中には冷蔵庫やお菓子など誘惑もあるわけですから。この食事法は毎日やることが望ましいのですが、内臓を休めて、細胞を修復させることが目的。だから、慣れるまではホテルに泊まって、週1、月1でトライすれば良いと思います。そのうち、誰でも水だけで16時間を過ごすことができますから」

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