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健常者のまま生活していたら何も知らなかった…東京パラ銅メダリストの思いと将来の夢

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 直子

子どもの頃から「いろいろな人がいる」と知ることは大切

倉橋:小学生の時、車いすバスケの選手が学校に来て体験会をしたことがあります。でも、当時は「車いすでもシュートが入った、やった!」くらいしか感じていなくて、今になって「あの人たち車で来ていたから、運転もできたんだ」と気付きました。小学生の私はそんなに深く学んではいなかったという……(苦笑)。

アンナ:子どもの頃から「いろいろな人がいる」と知ることは大切ですよね。私も自分の息子のように手がない人もいると知ってもらいたくて、SNSで発信をしています。私の発信を見てくださった方が、偶然隣に居合わせた手のない人が困っている時、ちょっと声をかけるきっかけになることを願って。

 逆に「障害があってもいろいろなことができるんだ」と知ってもらうこともできる。こういうきっかけが多くの人の心に届くことを願っています。なので、倉橋さんの気持ちや行動もまた、多くの方に影響、感動、勇気を与えていると思うし、生きる大切さも伝わっていると感じています。

倉橋:伝わっているとうれしいですね。これは多分、“障害者あるある”だと思いますが、私は自分が車いすに乗るようになってから、街で車いすの人を見かけると「あの人はどのくらい動けるんだろう。手は動くのかな。足だけかな。立てるのかな」と考えるようになりました。

アンナ:それ、分かります! 私も街で手のない人や腕に障害がある人にすれ違うと「どのくらいの長さなんだろう。肘はあるのかな」と見てしまいます。

倉橋:「手や足がどのくらい残っていて、何ができるんだろう」と考えてしまいますよね。

アンナ:私の場合、声までかけてしまうんですよ(笑)。「うちの息子も手がないんです。同じですね!」って。最初は不審に思われるかもしれませんが、そういうところで絆が生まれたりもして。

倉橋:声をかけるのはすごい!(笑)