仕事・人生
健常者のまま生活していたら何も知らなかった…東京パラ銅メダリストの思いと将来の夢
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倉橋選手が抱く夢「女性だけの車いすラグビーイベント開催を」
アンナ:東京パラを終えて2022年を迎えましたが、倉橋さんは何か新たに挑戦してみたいことはありますか。
倉橋:自分から発信するのが苦手なタイプなのですが、車いすラグビーに女性選手が増えたらいいなという夢はあります。そのためには何ができるのか考えている段階です。車いすラグビーは健常者でも車いすに乗ればほぼ同じ条件でできるスポーツなので、一度女性だけを集めたイベントを開いてみるのも面白いんじゃないかと思います。
アンナ:そんなイベントがあったら、私も参加したいです!
倉橋:ぜひ参加してください! タックルをすると音と衝撃は大きいけれど、体は痛くありません。楽しく体験できる機会があれば、車いすラグビーの魅力を知ってもらえるかなと。以前、海外で開催された女子だけの大会に、日本から選手3人で参加したことがあって、めちゃくちゃ楽しかったんですよ。体育館のどこを見ても女子だけ。試合中は高い声しか聞こえてこないし、みんな思いきり喜怒哀楽を表現しているし、本当にラグビーを楽しんでいるのが感じられて。
スピード感やタックルの強さは男子と差はありましたが、それは別にどうでもいいくらい楽しかったので、日本でもそれができるくらい女子選手が増えたらいいなと思います。
アンナ:やはり女子だけの楽しさってありますよね。今回の対談記事を通じて興味を持ってくださる方がいるとうれしいです。
倉橋:うれしいですね! 車いすラグビー界としても、体験する時に怖いと感じないような環境作りや、「子どもでも女性でもみんなで楽しもう」という雰囲気作りをしていきたいと思います。
アンナ:いつの日か女子選手だけのチームが組めること、祈っています!
<終わり>
1990年生まれ、兵庫県出身。中学、高校時代は体操競技に励み、教師の道を志して文教大学(埼玉県)に進学。トランポリン部に所属したが、3年生の時に練習中の事故で頸髄を損傷。鎖骨より下の感覚がほぼなくなり、車いす生活となる。大学への復学を目指してリハビリに励む中、車いすラグビーと出会いその虜に。2017年には日本代表に唯一の女子選手として選出され、2021年の東京パラでは銅メダル獲得に尽力した。クラブチームAXE所属。
(Hint-Pot編集部・佐藤 直子)