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日本の紅茶が頂点に 英国で初の国際ティーコンテスト スチュワード麻子さんがレポート

公開日:  /  更新日:

著者:スチュワード麻子

日本の和紅茶が世界一に選ばれた理由

 そんな中、今回この部門で金賞を取ったのが、熊本県水俣市芦北の「お茶のカジハラ」さんが出品した「夏摘みべにふうき」。さらにすごいことには、全部門の金賞の中から1点だけ選ばれる「Best in Show」という最優秀賞もまた、カジハラさんの「べにふうき」が受賞したのです!

 全部門に世界から出品された300種類近いお茶の中で、トップに輝いたのが日本の紅茶というのは実に素晴らしい功績です。

 評価が全会一致で決まったことからも、カジハラさんの和紅茶が素晴らしかったことが分かります。私が審査会で感じたのは、「べにふうき」の良さを最大限に生かした香り、しっかりと紅茶としての重みを持つ味、そして茶葉そのものの生育や出来の良さに加えて、作る工程に何も問題点がなかった、別の言い方をすれば「完璧に作られた紅茶だった」からだといえます。

これからますます期待される日本のお茶 将来的な課題も

華やかに飾り付けられた表彰会場内【写真:UK Tea Academy】
華やかに飾り付けられた表彰会場内【写真:UK Tea Academy】

 和紅茶の魅力は一言で言い表せず、これからもさまざまな生産者さんが独自のやり方でユニークなものをたくさん生み出していくことと思います。ただ、海外の紅茶と競争する場合においては、ユニークさだけではなく、やはり「紅茶」としてあるべき味や香りを持つことが大前提であるのだと感じました。

 世界から出品された紅茶の中で、本場英国の審査員たちから選ばれたトップが日本の和紅茶であったということは大変うれしいニュースです。それと同時に、和紅茶の魅力を知ってもらい、正当に評価してもらうためには、まだまだ伝えなくてはならないことがたくさんあるのだとも感じます。

 和紅茶とは何なのか、何が特徴で何を目指していて、評価ポイントはどこなのかが説明なしで分からない場合、正当な評価を得られないリスクはまだまだあるからです。そこをつないでいくことが自分の今後の使命かな、と思う経験でした。

 他にも日本のお茶は「釜炒り緑茶」部門と「フレーバー紅茶」部門、「抹茶」部門などでいくつもの賞を受賞。「フォートナム&メイソン」で行われた授賞式では、世界から集まった参加者の注目を集めていました。この快挙を受けて、さらに多くの素晴らしい日本のお茶が世界に知られることを期待したいですね。

(スチュワード麻子)

スチュワード麻子(すちゅわーど・あさこ)

日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター、日本茶インストラクター、日本茶大使。テムズ・ヴァリー大学・英国パティスリー&コンフェクショナリー・シェフズ・サーティフィケート取得。英ロンドンの紅茶会社を経て、「インフューズ・スクール・オブ・イングリッシュ・ティー」主宰。「ティーアカデミージャパン」代表。レストランやティールームの紅茶コンサルタント業務を行う。紅茶をテーマとした講演・執筆などでも活躍中。著書に「英国スタイルで楽しむ紅茶」(河出書房新社刊)などがある。