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水はだしの味わいに影響 お鍋の種類別おすすめのミネラルウォーターとは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

お鍋の味はどう変わる? 水×だしがもたらす味わい

鍋の決め手であるだしの味にも水が重要に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
鍋の決め手であるだしの味にも水が重要に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 続いては、日本の冬に欠かせないお鍋と水の相性です。“お鍋に合う水”は果たして存在するのでしょうか?

【使用しただしと水】
○だし:昆布、カツオ節、煮干し
○水:軟水、中硬水、硬水

【だしの抽出方法】
○昆布:昆布15グラムに500グラムのミネラルウォーターを加え30分静置。IH中火で加熱し、煮立つ直前に火を止めてろ過。常温になったろ液を測定
○カツオ節:削り節8グラムに沸騰させたミネラルウォーター200グラムを加え、IH強火で1分加熱後、3分静置。ろ過後に削り節を絞り200グラムに補水したものを測定
○煮干し:頭とはらわたを除去した煮干し15グラムとミネラルウォーター500グラムを小鍋に入れ、IH強火で加熱し、沸騰後は中火におとし10分加熱。加熱で失った分の水分を補水し、ろ過後常温になったろ液を測定

 だしと水を組み合わせて以上の方法で抽出した結果、軟水はだしの種類にかかわらず全体的に控えめでコクや旨みが際立つ味わいに。中硬水は旨みの余韻や苦みなどがバランスよくまとまり、また硬水は味の濃さと旨みの余韻が強く、全体的に味に膨らみが出るという傾向が判明したそうです。また紅茶と同様に、硬水になるにつれだしの透明度は低くなるという結果も。

しゃぶしゃぶ、寄せ鍋orちゃんこ鍋、豆乳鍋の3種類に合うミネラルウォーター【写真提供:味香り戦略研究所】
しゃぶしゃぶ、寄せ鍋orちゃんこ鍋、豆乳鍋の3種類に合うミネラルウォーター【写真提供:味香り戦略研究所】

【だしと水の関係】
○軟水:だしが濁らず、コクや旨みを引き出すことができる。そのため色みが重要で、素材の味わいを素直に楽しむお雑煮やしゃぶしゃぶなどと相性が良い
○中硬水:だしの味わいをバランス良く抽出することができる。寄せ鍋やちゃんこ鍋など、さまざまな具材を入れて楽しむ鍋と相性が良い
○硬水:だしの味わいを強く引き出すことができる。スープが濁ってしまう傾向もあるため、色みを気にする必要がない豆乳鍋や、調味料に負けないパンチのあるキムチ鍋やカレー鍋などと相性が良い

 やはり水を変えると鍋の味が変わり、楽しみ方も広がるようです。日本は水道水を飲用できる数少ない国のため、普段は水の特徴を意識する機会があまりないかもしれません。この機会に少し注意してみると、よりおいしい毎日になるかもしれませんね。

(和栗 恵)

和栗 恵(わぐり・めぐみ)

恋愛コラムニスト・ライフスタイルライター。1970年東京都生まれの B型。雑誌、ウェブ、ドラマCD、ゲームシナリオ制作など、さまざまな媒体を手がける。男女の本質的な違いに着目した独自の恋愛論・結婚論を、ティーン誌、青年誌、ママさん向けウェブなどで展開中。著書にA型夫とB型妻との生活を描いた「毎日がグチLove B型妻 VS A型夫(笠倉出版社)」、「そして、ありがとう…ー犬とわたしの12の涙ー(日本文芸社)」などがある。